研究課題/領域番号 |
10470086
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
浅野 喜博 愛媛大学, 医学部, 教授 (70114353)
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研究分担者 |
角田 恒輔 愛媛大学, 医学部, 助手 (20281454)
加納 誠 愛媛大学, 医学部, 講師 (10116923)
四宮 博人 愛媛大学, 医学部, 助教授 (80162618)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2000年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | IL-12遺伝子 / サイトカイン / マクロファージ / 樹状細胞 / リステリア菌 / 感染免疫 / T細胞サブセット / IL-12p40 / IRF-1 / マクロファージ機能 |
研究概要 |
IRF-1遺伝子欠損マウスを用いた種々の病原体の感染実験から、IL-12の発現低下によりタイプ1T細胞サブセットへの分化障害が起こることを明らかにしてきた。ところが、リコンビナントIL-12タンパクを投与して感染実験を行ってもこの遺伝子欠損マウスで見られるT細胞サブセットの異常なシフトは変わらないが、正常マクロファージの存在下では野生型の反応に戻ること、さらに、NK細胞、NKT細胞の非存在下でもタイプ1T細胞が誘導されること、および、TCRTGマウスを用いた解析から、病原体感染によりタイプ1あるいはタイプ2T細胞が誘導される機序は抗原非特異的であり、したがって、感染初期に作用するinnate immunityが重要な役割を果たすことが明らかになった。また、ハーバード大学やエール大学のグループの解析で、抗原によるT細胞レセプターの刺激とともにIL-12やIL-4が作用し、T-betやGATA-3遺伝子の作用でT細胞サブセットの機能的分化が誘導されることが明らかになってきた。ところが、我々がT細胞レセプタートランスジェニックマウスを用いて病原体感染におけるT-betやGATA-3遺伝子の動きを調べたところ、特異抗原によるT細胞レセプターの刺激以前に、感染マクロファージ系細胞の影響下にT細胞サブセットへのコミットメントが生じていることが明らかになった。 これらの知見は、病原体によりT細胞レセプターの抗原刺激を介さない経路で、T細胞サブセットの機能的分化がT-bet遺伝子やGATA-3遺伝子発現以前に進行することを示唆している。これは感染によりT-betやGATA-3遺伝子の上流の遺伝子が機能し、T-betやGATA-3遺伝子の発現をコントロールしていることを示唆している。この点を明らかにすることは感染免疫系におけるT細胞の機能的分化機構、および生体防御におけるT細胞の働きを考える上で極めて重要なことと考える。
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