研究課題/領域番号 |
10470099
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 旭川医科大学 (2000) 東海大学 (1998-1999) |
研究代表者 |
吉田 貴彦 旭川医科大学, 医学部, 教授 (90200998)
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研究分担者 |
山内 博 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (90081661)
中木 良彦 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90322908)
伊藤 俊弘 旭川医科大学, 医学部, 助手 (20271760)
相川 浩幸 東海大学, 医学部, 講師 (40102850)
佐藤 勉 日本歯科大学, 歯学部, 助教授 (60130671)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 砒素 / フッ素 / 複合曝露 / 皮膚 / 骨 / サイトカイン / 皮膚の硬化 / 骨の脆弱 / 中国 / 飲料水 / 骨の脆弱化 / サイトカイン・増殖因子 |
研究概要 |
中国内モンゴル農村部の砒素汚染地区の深井戸水に高濃度の砒素(As)が検出され、同時にフッ素(F)も高濃度に検出された。汚染地域住民で尿中Asが高く砒素曝露が確認され男女差は無かった。尿中Fも同傾向だった。皮膚および頭髪の元素定性分析で汚染地域住民にAsのピークが検出され、Asの生体組織沈着が確認された。汚染地域住民に手掌・足底の角化症、皮膚色素異常が見られ、一部には歯牙フッ素症も観察された。砒素皮膚病変および歯牙フッ素症ともに男性に発症が多かった。動物実験で、雄雌のC57BL/6Nマウスに50、100日間に飲料水としてAs(10ppm)、F(1または5ppm)を単独およびAs・Fを混合で投与した。大腿骨断面積は雌性50日曝露のF群およびAs群で大きかった。雄性50日曝露では実験群で断面積が大きかったが100日曝露では差が無かった。骨密度に関して50日曝露の雄雌ともにAs群で高値を示したが、100日曝露では各群間に差がなかった。骨強度は50日曝露で雄雌共に各群間に差がなかったが、100日曝露の雄ではF群とAs・F群で低値、雌のF群で低値であった。以上よりFとAsはそれぞれ濃度や曝露期間毎に結果が異なるものの、骨の発育、密度や強度に影響を及ぼし、影響には性差があることがわかった。血清中GM-CSFは雄雌共に50、100日曝露で各群間に一定傾向はなかった。AsおよびFに同時に曝露する集団の砒素中毒症状がAsの濃度や曝露期間だけで説明できないことから、汚染物質につき生体影響を評価するには複合曝露する物質の相互作用につき考慮する必要が示された。特にF曝露による骨影響は知られているが、Asによる骨への影響を報告した例は無く、慢性砒素中毒発生地域において骨に関する健康調査も実施する必要があると思われる。
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