研究課題/領域番号 |
10470122
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
熊澤 武志 昭和大学, 医学部, 助教授 (00186470)
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研究分担者 |
鈴木 修 浜松医科大学, 医学部, 教授 (70093044)
佐藤 啓造 昭和大学, 医学部, 教授 (20162422)
李 暁鵬 昭和大学, 医学部, 講師 (90245829)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | 固相ミクロ抽出 / SPME / 薬毒物分析 / 高速液体クロマトグラフィー / 質量分析法 / SPME法 |
研究概要 |
法医学上問題となる薬毒物は多種多様にわたっている。人体試料中からの薬毒物を確実に検出同定することが要求される法医学の領域では、薬毒物を簡便、迅速かつ正確に人体試料から分離する抽出法と、高感度で特異性の高い検出法とを組み合わせて分析することが要求される。本研究では、固相ミクロ抽出(solid phase microextraction:SPME)法と高速液体クロマトグラフィー(HPLC)/質量分析(MS)法を組み合わせたSPME-HPLC/MSシステムによる薬毒物の分析システムを完成させ、覚醒剤、麻薬類、向精神薬類、農薬類、自然毒について人体試料からの分析法の検討を行った。 SPME法では、全血、血清および尿を人体試料として用い、覚せい剤および有機リン系農薬はポリジメチルシロキサン(PDMS)ファイバー、麻薬類はカーボワックス/ジビニルベンゼン(DVB)ファイバー、フェノチアジン系およびブチロフェノン系向精神薬はポリアクリレートファイバー、ベンゾジアゼピン系向精神薬、カーバメート系農薬および自然毒アマニチンはPDMS/DVBファイバーを用いることで迅速簡便な抽出を行うことができた。HPLC/MS法では、有機リン系農薬が大気圧イオン化法によるインターフェースを用いたが、それ以外はエレクトロスプレーインターフェースであった。また、フェノチアジン系、ブチロフェノン系およびベンゾジアゼピン系向精神薬に関してはMS/MSによる分析を行うことでシングルMSよりも高感度な検出が可能となった。 本研究では覚せい剤について法医実際例で採取した尿中からmethamphetamineとamphetamineの検出に成功した。また、フェノチアジン系向精神薬に関しては男性ボランティアによる薬剤投与実験を行い、全血と尿中からの微量の薬剤を検出することができ、SPME-HPLC/MSシステムが臨床検査にも応用可能であることが明らかとなった。今後は他の薬毒物についても本システムの法医実際例への応用を検討する予定である。
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