研究課題/領域番号 |
10470128
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
坂根 剛 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40127519)
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研究分担者 |
永渕 裕子 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 助手 (80278001)
岳野 光洋 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (50236494)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
1999年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1998年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / 自己反応性T細胞 / X染色体 / モザイク現象 |
研究概要 |
全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus;SLE)をはじめとした自己免疫疾患は女性に多発する。本研究ではX染色体の不活化モザイク現象が自己反応性T細胞の出現機序に寄与することを実証する。すなわち、「胸腺内の抗原提示細胞で極端なX染色体不活化の偏倚が生じたために、父方(母方)由来のX染色体遺伝子産物を自己抗原と認識することなく末梢に移行したT細胞は、末梢ではじめて抗原提示細胞により提示された父方(母方)由来のX染色体がコードする抗原を自己抗原として認識して活性化され、慢性移植片対宿主反応の様式で自己免疫病態を惹起する」という仮説を立て、これを検証した。 まず、蛍光プライマーを用いたPCR法によりアンドロゲンレセプター遺伝子の多形性に基づく女性体細胞のX染色体の不活化パターンの定量的解析法を確立し、健常者末梢血ではBリンパ球と単球のX染色体の不活化パターンが同一であるのに対し、SLE患者の多くは同じ抗原提示細胞としての機能をもつB細胞と単球の間に明らかな不活化パターンの差異のあることを見出した。また、SLE患者由来自己反応性T細胞株の中には、一方のX染色体を発現したEBウイルス形質転換自己B細胞株には反応するが、他方のX染色体を発現したB細胞株には全く反応しないT細胞株が存在した。このX染色体が異なるB細胞株間では、HLA-classII分子や副シグナル分子の発現は差違はなかった。したがってSLE患者の少なくとも一部には、生体内で一方のX染色体がコードする遺伝子産物を認識する自己反応性T細胞が末梢T細胞レパトアとして存在することが判明した。さらに、これまでの研究成果をもとに、X染色体の不活化パターンの異なるB細胞株よりcDNAライブラリーを作成し、differential display法により、発現に差違のある自己抗原をスクリーニングした結果、自己反応性T細胞株の認識抗原の主要エピトープの一部は種々の細菌由来蛋白と相同性をもつことが判明した。
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