研究課題/領域番号 |
10470131
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
油谷 浩幸 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (10202657)
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研究分担者 |
児玉 龍彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90170266)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2000年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 多段階発癌 / DNAアレイ解析 / 胃癌 / 肝細胞癌 / 発現プロファイル / RDA法 / マイクロアレイ / 腹膜播種 / 発現プロファイル解析 / 多段階発がん / トランスクリプトーム解析 / 染色体欠失 |
研究概要 |
本研究においてはゲノム全体を対象として遺伝子に生じた質的及び量的異常を解析することにより癌抑制遺伝子同定を行い、多段階発癌機構の解明を試みることを研究課題として掲げた.第一にDNAサブトラクション法であるRepresentational Difference Analysis (RDA)法を用いて染色体ホモ欠失領域の同定をはかり、癌抑制遺伝子座のクローニングから癌抑制遺伝子の同定を試みた。胃癌細胞株OCUM-2Mおよびその高腹膜播種性転移株2MD3を用いた解析により、1p、3p14、16q22の3カ所のホモ欠失領域を同定した。3p14、16q22領域は染色体脆弱部位FRA3BおよびFRA16にあたり、それぞれFHIT、WWOX遺伝子が存在することが判明した。1p領域よりは新規コラーゲン類似遺伝子ZAP1が同定され、変異転写産物が確認された。 第2に、ヒトゲノム計画の急速な発展により、DNAアレイ解析により数千、数万の遺伝子の量的な変動について迅速かつ網羅的に解析が可能となった。上記の細胞株において、40,000個の遺伝子あるいはEST(Expressed Sequence Tag)を解析し、2MD3では扁平上皮系遺伝子群の発現抑制、2MLNではMHCクラスII遺伝子群の発現亢進が認められ、高転移性との因果関係について現在検討中である。一方、胃癌組織について6800遺伝子の発現プロファイルを比較し、癌部と非癌部、転移(-)と転移(+)群において発現の異なる遺伝子を抽出するアルゴリズムを開発した。発現プロファイル解析により、肝細胞癌の脱分化に関連する遺伝子群の同定を行い、進行度の診断・分類に有効であることがわかった。ノンパラメトリックな分析法であるKruskal-Wallis解析法と非階層的クラスタ解析法を組み合わせることにより、分子診断への応用でも良好な結果も得られた。
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