研究課題/領域番号 |
10470132
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
金子 周一 金沢大学, 医学部, 助教授 (60185923)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / 肝癌 / アルファフェトプロテイン / アデノウイルス |
研究概要 |
肝内および肝外移転を有する進行肝細胞癌に対する遺伝子治療法を確立するため、Transcriptional targetingを利用した新たなベクターの開発を検討した。肝癌ら特異的に発現しているalfafetoprotein(AFP)のプロモーター領域を改変し、肝癌細胞における発現および移植肝癌における発現を検討した。また治療遺伝子として自殺遺伝子であるherpes simplex virus thymidine kinase遺伝子を用いて担癌マウスにおける抗腫瘍効果を検討した。 これらの実験ではtranscriptional tartgetingによる効果が示されたもののAFPプロモーター活性が弱いために十分な治療遺伝子を発現することが出来なかった。そこでCre-loxPシステムを用いて、肝癌に特異的で強力に発現するベクターを作製した。これによって培養細胞およびマウス腫瘍において高い遺伝子発現が得られ、とりわけ肝内および肝外の転移病巣においても十分な発現が得られた。 しかしこのCre-loxPの系では2種類のウイルスが同時に感染する必要があり、十分な発現のためにはMOI25以上の力価を要することも示された。こうしたことから投与ベクター量が大量となるため、アデノウイルス投与では問題が生じること示唆され、今後の問題点とされた。 これに対し、さらにHVJリポソームといった安全性の高いベクターを用いた検討を行って検討したところ、複数回のベクター投与によって肝内に転移した肝癌を治療することが可能であった。このようにAFP遺伝子を用いたtranscriptional targetingによって肝内および肝外に転移した進行肝癌の治療が可能であることが示唆された。
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