研究課題/領域番号 |
10470135
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
笠原 彰紀 大阪大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70214286)
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研究分担者 |
望月 圭 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
平松 直樹 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
佐々木 裕 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70235282)
大川 和良 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
考藤 達哉 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | C型肝炎 / HLA / TAP2 / MAPK / ERK / 樹状細胞 / 肝細胞癌 / インターフェロン / B型肝炎 / 遺伝子診断 / B7-1 / Fas |
研究概要 |
HLA及びTransporter associated with antigen processing 2(TAP2)の多型性と肝病変の発生・進展との関連をC型慢性肝炎患者において検討すると、HLA class IのB54を含むhaplotypeが肝病変の進展を促進すること、他方class IIのDRB1*1302-DQB1*0604を含むhaplotypeが肝病変の進展を抑えること、TAP2遺伝子*0103を持つ患者は肝病変の進展が抑えられる可能性が示唆された。 肝細胞癌組織におけるMAPK/ERKは58%の肝細胞癌患者において活性化されており、その活性化の程度は周辺非癌部肝組織に比し肝細胞癌組織において高値であった。末た、MAPK/ERKの活性化の程度とc-fos及びcyclinD1の蛋白発現の間に正の相関関係が認められ、癌部/非癌部のMAPK/ERKの活性化比は腫瘍径と有意の正の相関関係がみられた。 生体における樹状細胞機能を検討すると、C型慢性肝炎患者ではallogenicな増殖刺激活性は低下していたが、抗原特異的CD4+細胞反応は保たれており、その機序としてCD86低発現、低サイトカイン産生による低増殖刺激が関与すると考えられ、樹状細胞機能を調節することによりHCV排除を促す新しい治療法を開発できる可能性が示唆された。また、再発肝癌に対しB7-1遺伝子導入とInterleukin-12の併用が免疫遺伝子治療法として有用である可能性を明らかにした。 C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)治療後の発癌に寄与する項目はIFN治療無効例、高年齢、男性で、IFN治療にてトランスアミナーゼの正常化が認められる再燃例では累積肝細胞癌併発率が著効例と同等で、無効例に比し有意に低率であることを明らかにした。また、C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療例、未治療例で累積生存率を検討すると、治療後5年までは両者の生存率は同等であったが、5年以降未治療例の生存率は低率であった。さらに、著効例、再燃例では肝臓病死がほとんどみられず、生存率も未治療例・無効例に比し有意に低率であることを明らかにした。
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