研究課題/領域番号 |
10470136
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
沖田 極 山口大学, 医学部, 教授 (70107738)
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研究分担者 |
久保 善嗣 山口大学, 医学部・附属病院, 医員(臨床)
増原 昌明 山口大学, 医学部, 助手 (80294627)
坂井田 功 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (80263763)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | HGF / TGF-β / 細胞増殖 / 細胞外マトリックス / 肝細胞 / 癌細胞 / 前癌性病変 / シグナル伝達 / TGF-β1 / 線維化 |
研究概要 |
肝細胞増殖の制御は、肝臓内におけるHGFを初めとする増殖促進因子とTGF-βなどの増殖抑制因子のバランスが重要である。このTGF-βの主な産生細胞は活性化星細胞が主役であることが報告されており、線維化の促進因子としても重要な役割をになっている。すなわち慢性炎症の状態では、壊死した肝細胞のあとに一部は再生肝細胞で置き換わるが、その他は細胞外マトリックスによって埋められる。その細胞外マトリックス産生の責任細胞が星細胞でありTGF-βが促進因子である。さらに肝細胞増殖の制御には、NKcellなどの免疫系の関与も考えられるが、本研究では以下のことが明らかになった。(1)ラットにブタ血清を週2回投与すると8週後には、肝線維化が誘導され肝組織にはTGF-βが発現される。このTGF-βが発現した肝を70%部分肝切除を行うと、正常肝にくらべ有意に肝再生が抑制される。また、(2)活性化星細胞により形成された肝硬変をへて前癌性病変(酵素変異細胞)-肝発癌に至るラットコリン欠乏食においては、TGF-βが強発現しているが、前癌性病変の細胞は、周囲の肝細胞に比べて再生(増殖)が抑制されていない。また、これらの前癌性病変の多くは、活性化星細胞によりとりかこまれている。活性化星細胞がTGF-β産生の主細胞と考えられる。この結果より、前癌性病変の細胞はすでにこの時点においてTGF-βの細胞増殖抑制作用から逸脱しているものと考えられる。さらに、(3)70%部分肝切除後の未熟な再生肝細胞をNKcellが攻撃し、肝再生を阻害している可能性も示唆された。
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