研究課題/領域番号 |
10470165
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
横山 光宏 神戸大学, 医学部, 教授 (40135794)
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研究分担者 |
江本 憲昭 神戸大学, 医学部, 助手 (30294218)
川嶋 成乃亮 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (10177678)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1999年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 内皮型NO合成酵素 / トランスジェニックマウス / 血圧 / 血管拡張反応 / 敗血症性ショック / 血管リモデリング / 接着因子 / 一酸化窒素 / 血管反応性 |
研究概要 |
生体内における内因性のNOの役割について、我々の作成した、全身の血管壁に、特に血管内皮細胞にeNOS遺伝子を過剰発現させたトランスジェニックマウス(eNOS-Tg)を用い、種々の検討を行い、以下の結果を得た。 1)血圧への影響:eNOS-Tgでは野生型に比ベ、平均血圧が約20mmHg低下しており、血管局所で産生されるNOが、血圧調節因子として働いていることが示唆された。 2)血管反応性の変化:摘出大動脈の輪状片を用いた等尺張力測定実験にて、eNOS-Tgでは、内皮依存性血管弛緩反応の減弱、さらに外因性NO供与薬、ANP、8BrcGMPに対する血管弛緩反応の低下が認められ、NO-cGMP系に対する血管反応系の障害が生じていることが判明した。その機序として、可溶性グアニル酸シクラーゼの活性の低下、cGMP依存性蛋白キナーゼの発現低下が関与することを明かにした。 3)敗血症性ショックに対する抵抗性:Lipopolysaccharideによる敗血症性ショックモデルで、eNOS-Tgでは野生型に比べ、血圧の低下が著明に抑制され、肺臓器傷害が軽減し、その結果死亡率も改善することが明らかになった。この機序として、iNOS由来NOによる全身低抗血管での拡張反応がeNOS-Tgで減弱していること、ならびに内皮由来NOの抗炎症作用が関与すると考えられた。 4)血管リモデリングの抑制:総頚動脈結紮後の中枢側血管に生じる血管リモデリングが、eNOS-Tgでは抑制されていることが判明した。この機序として内皮由来NOによる接着因子発現の抑制が関与すると考えられた。
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