研究課題/領域番号 |
10470177
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
|
研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
中澤 眞平 山梨医科大学, 医学部, 教授 (90090034)
|
研究分担者 |
合井 久美子 山梨医科大学, 医学部, 助手 (70324192)
犬飼 岳史 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30293450)
杉田 完爾 山梨医科大学, 医学部, 講師 (60138055)
手塚 徹 山梨医科大学, 医学部, 助手
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | 難治性小児急性白血病 / アポトーシス / 転座型白血病 / 転写因子 / 造血因子受容体 / プロモーター / 11q23転座型白血病 / 9;22転座型白血病 / 17;19転座型白血病 / 小児急性リンパ性白血病 / 化学療法 / ステロイド剤 / G-CSF / 多剤耐性 |
研究概要 |
難治性小児急性白血病でのアポトーシス耐性の機序を明らかにし、その克服を目指す新たな治療法の確立を目的として研究を行い、以下の成果を得た。 1.ステロイドレセプター・ファミリーに属するPPARγが白血病細胞にも発現されており、リガンド刺激によってアポトーシスが誘導された。その機序として、NF-κB及びTcf-1転写因子を介してc-mycの発現が抑制される可能性を明らかにした。 2.JAK2 inhibitorとされるAG490が、9;22転座型や11q23転座型急性白血病にアポトーシスを誘導する一方で、正常の造血幹細胞のコロニー形成には影響しないことを明らかにした。 3.9;22転座型や11q23転座型急性白血病細胞ではG-CSFやTPO受容体が発現されており、G-CSFやTPOによって増殖刺激を受けて、抗癌剤によるアポトーシスが増強される可能性を明らかにした。 4.17;19転座由来E2A-HLF融合転写因子の標的遺伝子として、アポトーシス制御能を有するZin c Finger型転写因子SLUGを同定しSLUG遺伝子の解析を行った。転写開始点上流にはマウスと相同性をもつ領域が散在した。このうち約1kbの上流領域には線虫CES1遺伝子promoterのHLF-CS related siteとも類似する部位が存在し、この領域をprobeとしたGel-shift法でE2A-HLFの特異的結合を確認した。 5.CDK inhibitorは細胞周期のみならず、分化やアポトーシスにも関与している。CDK inhibitorのうちp16遺伝子は、多くの白血病細胞株で不活化されているが、9;22転座型白血病細胞株では遺伝子の欠失によって、11q23転座型急性白血病細胞株ではpromoter領域のメチル化によって不活化されていた。 6.11q23転座型白血病で血清除去によるアポトーシスが抑制されるという報告が、少数の細胞株を用いた検討でなされ注目された。我々が独自に樹立した9細胞株でも6株でアポトーシス抑制が観察され、難治性の要因として関与している可能性が示唆された。
|