研究課題/領域番号 |
10470185
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
玉井 克人 弘前大学, 医学部, 助教授 (20236730)
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研究分担者 |
今 淳 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (60271798)
澤村 大輔 弘前大学, 医学部・附属病院, 講師 (60196334)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2001年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | ケラチノサイト / POUドメインファクター / Skn-1n / オクタマモチーフ / in situ RT-PCR / POU ドメインファクター / RT-PCR / in situ / skn-1a / NLS / skn1a / 類天疱瘡抗原 / sknla |
研究概要 |
1)Skn-1aの抗ヒトモノクロナール抗体を用いて,正常ヒト表皮におけるSkn-1aの発現を検討した。その結果,表皮基底層では細胞質が均質に染色され,有棘層で核内へと移行することが明らかになった。さらに,表皮の増殖亢進と異常角化を病態とする尋常性乾癬では,基底層から有棘層に分化してもSkn-1aは細胞質内にとどまり、有棘層上層で核内移行する,いわゆるdelayed nuclear translocationが観察された。 2)Skn-1aの表皮分化誘導機構、特に表皮細胞シグナル伝達と核内転写調節との関係に関する検討:Skn-1aに同定したnuclear locarization signal(NLS)と予想される領域のアミノ酸をGFPに接続した融合蛋白の発現ベクターを作成し、培養表皮細胞に導入して核移行を確認するとともに、NLS近傍のセリン・スレオニンのリン酸化・脱リン酸化が核移行に関与するか否かをsite-directed mutagenesisによりこれらアミノ酸をアラニンに置換することにより確認した。その結果、NLSと予想したアミノ酸が核移行シグナルとして機能すること、そのC末端側に位置するセリン、スレオニンのリン酸化・脱リン酸化がNLSの機能を制御していること、このリン酸化・脱リン酸化は表皮細胞の分化により変化すること、等が明らかとなった。 3)表皮性POU domain factorであるSkn-1aのcDNAおよびgenomic DNAクローニング:cDNAをクローニングし、5'-RACEにてcDNAの5'末端を決定した。さらに、Skn-1a cDNAの5'領域に相当するgenomic DNAをクローニングし、そのイントロン・エクソン構造を明らかにした。その結果、ケラチノサイトに発現する、これまで報告のないSkn-1a splice-variantの存在が明らかになり,これをSkn-1nと命名した。 4)Skn-1aのスプライスバリアントskn-1nの、in vitroおよびin vivoにおけるSkn-1nの発現をRT-PCRおよびin situ RT-PCRを用いて検討した。in vitroにおいては、培地中のCa濃度が上がるにつれ、NHEKにおけるSkn-1aおよびSkn-1n mRNA発現量は著明に低下した。Ca濃度0.03mMから0.15mMへのスイッチではSkn-1n、Skn-1aいずれも約70-80%の発現低下を示し、2.0mMではいずれも元の10%前後まで減少した。また、Oct-1の発現もCa濃度上昇に従って著明に減少し、Ca濃度0.15mMで既に0.03mMの15%まで減少した。in vivoにおける発現検討では、健常皮膚でのSkn-1a, Skn-1nのmRNAの発現がin vitro同様にRT-PCRにより確認された。In situ RT-PCR法を用い、正常ヒト表皮においてSkn-1nが表皮基底層から有棘層中層まで発現していること、有棘層上層では発現量が低下していることを明らかにした。
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