研究課題/領域番号 |
10470210
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
原田 実根 岡山大学, 医学部, 教授 (00019621)
|
研究分担者 |
品川 克至 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (00273988)
石丸 文彦 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (50284097)
木浦 勝行 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (10243502)
竹中 克斗 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (30301295)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
キーワード | 造血幹細胞 / 末梢血幹細胞 / サイトカイン / G-CSF / 動員 / T細胞機能修飾 / NK細胞 / GVHD / 同種末梢血幹細胞移植 / VLA-4 / 急性GVHD / IFN-γ / IL-4 / 単球 / CFU-GM / 末梢血幹細胞移植 / CD34 / TNF-α / インターフェロンγ / IL-10 |
研究概要 |
G-CSFの免疫細胞機能修飾に関する検討:健常人ドナーへのG-CSF投与前後で末梢血単核球を採取し、その中の非付着単核球を反応細胞として、allo抗原とmitogen刺激による増殖能及びIL-4、IFN-γの産生能を検討した。G-CSF投与後の非付着単核球は投与前に比べ、allo抗原およびmitogen刺激に対する増殖能はともに低下する傾向がみられ、さらにIL-4、IFN-γの産生能も低下した。また、同様にして得た付着単核球を単球としてLPS存在下に培養し、その培養上清中のサイトカイン濃度を調べた。培養上清中のTNF-α及びIL-10の濃度はG-CSF投与後には有意に低下、抗原提示能も低下しており、単球機能の不活性化が示唆された。さらにG-CSF投与前後でのNK細胞機能を検討した結果、G-CSF投与後のNK活性はG-CSF投与前と比べて低下していた。以上より、G-CSFは免疫担当細胞機能を修飾することがわかり、そのG-CSFの効果は抑制的であることが示唆された。 末梢血幹細胞動員機序における血管新生因子の関与についての検討:健常人ドナーにおいて、G-CSF投与前の定常時、投与後の幹細胞動員時における末梢血中の血管新生因子(VEGF,bFGF)をELISA法で測定した。VEGFは血清および血漿、bFGFは血清を用いて検討した。幹細胞動員の前後においてVEGFは血清、血漿いずれにおいても上昇を認めた(p=0.0157;血清、p=0.0280;血漿)。血清bFGFにおいては有意差は認められなかった。 G-CSFによる末梢血幹細胞動員に関する検討:健常人ドナーに10μg/kgのG-CSFを5日間投与した場合、約20%の症例に一回の移植に対して目標とするCD34陽性細胞数(レシピエント体重あたり5×10^6/kg)を採取できない例(poor mobilization)があった。G-CSF投与前の検査値ではpoor mobilizationの予測は困難であったが、投与4日目のLDH、CRPおよび末梢血中の幼若顆粒球(骨髄芽球、前骨髄球、骨髄球および後骨髄球)数はpoor mobilizationにおいて有意に低値であった。また、G-CSF投与前の末梢血CD34陽性細胞数が低値を示すドナーはpoor mobilizationをきたしやすい傾向がみられた。以上よりG-CSF投与後の検査値の変動には差が認められており、G-CSFの及ぼす影響には違いがあることが示唆された。
|