研究課題/領域番号 |
10470214
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
加藤 規子 関西医科大学, 医学部, 助手 (10252785)
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研究分担者 |
福原 資郎 関西医科大学, 医学部, 教授 (40142301)
岸本 裕司 関西医科大学, 医学部, 講師 (70204857)
加藤 順也 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス科, 助教授 (00273839)
川村 真代 関西医科大学, 医学部, 助手 (00298853)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
9,200千円 (直接経費: 9,200千円)
2000年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1998年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 骨髄異形成症候群 / NPM-MLF1キメラ蛋白質 / t(3;5)染色体転座 / p27^<KIP1> / Jab1 / Cop9 signalosome / アポトーシス誘導 / 多段階発がん / NPM-MLF1キメラ遺伝子 / t(3;5)転座 / Bcl-2 / p27Kip1 / 白血病移行 / アポトーシス関連遺伝子群 |
研究概要 |
骨髄異形成症候群(MDS)および急性骨髄性白血病(AML、M3以外)において観察されるt(3;5)(q25.1;q34)転座の原因キメラ蛋白NPM-MLF1の機能解析を行うことにより、MDS段階を経て白血病に至る多段階発がん機構の一端を解明することを目的とした。また、この過程において、正常造血機構におけるMLF1シグナル伝達系の存在を明らかにし、その制御異常としての白血病発症機構について、以下の諸点を明らかにした。 未分化骨髄細胞株・マウス線維芽細胞株へのNPM-MLF1キメラ蛋白の導入は、比較的緩慢なアポトーシスによる細胞死を誘導するが、この細胞死はBcl-2の共発現により回避され、細胞は増殖傾向を示す(これらの結果はOncogene,1999に報告)。また、このことは、キメラ蛋白は何らかの細胞周期G1制御因子に影響を及ぼすことを示している。この点に着目し解析を行った。その結果、キメラ蛋白質によりCDKインヒビターp27^<Kip1>の蛋白質発現レベルが著明に低下し、すでに単離していたMLF1相互作用蛋白質の一つCop9 signalosome subunit 3(CSN3/SGN3)が、同じ複合体に属するJab1(CSN5)を介してp27を負に制御することを見いだした。CSN3は、キメラ蛋白質と同様にアポトーシス誘導能・p27分解促進能を有するが、これらはMLF1の共発現により抑制される。これらの事実は、MLF1-|CSN3>Jab1>p27と続く一連のMLF1シグナル伝達系の存在を示している(投稿中)。同時に、キメラ蛋白質形成を一例とするその制御機構異常が腫瘍化の標的となる可能性を含んでいる(一部の結果をLeukemia,2000に報告)。 以上の研究により得た知見を、マウスモデルを用いた研究の併用により、さらに、発展させていきたい。
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