研究課題/領域番号 |
10470250
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古川 博之 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (70292026)
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研究分担者 |
藤堂 省 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60136463)
大村 孝志 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (40312350)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
2000年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1998年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | small-for-size liver / TNF-α, / endothelin-1 / endothelin receptor antagonist / PDE III inhibitor / 門脈・大循環シャント / GV / SV ratio / small-for-size 肝移植 / 85%イヌ肝切除 / 門脈圧 / 肝血管抵抗 / PDE III 阻害剤 / endothelin 拮抗剤 / 成人間生体肝移植 / 微小循環 / 類洞内皮細胞 / ヒアルロン酸 / エンドセリン・1 / small-for-size肝 / 大量肝切除 / エンドセリン-1 / TAK-044 / 成人生体部分肝移植 |
研究概要 |
small-for-size肝移植の病態を解明し安全な成人間生体肝移植を行うため動物実験と臨床研究を行った。マウス85%肝切除では肝不全の原因がTNF-αの過剰産生であることを示しTNF阻害剤(ONO-SM-362、抗TNF抗体)が有意生存率を向上さすことを証明した。ラット85%肝切除では血管収縮物質であるエンドセリン-1が肝切除後の門脈圧亢進の主因であることを示しその受容体拮抗剤(TAK-044)が生存率が有意に改善することを証明した。ビーグル犬85%肝切除モデルではsmall-for-size肝における全身循環と肝循環の関係を明らかにした。即ちsmall-for-size肝移植おいては肝容積の減少が血管床の減少につながりこれが原因で門脈・肝臓系に血流が鬱滞する。この現象は肝臓に類洞の狭小化を招き酸素伝達の低下から肝不全を招来する。全身循環においては心拍出量の低下を招きlow output syndromから多臓器不全の原因になる。そこで門脈・大循環シャントを行ったが1週間以上生存する動物はいなかった。またTAK-044を用いたが6頭中1頭のみが2週間以上生存した(肝切除後2年たった現在も生存中)。またPDEIII阻害剤(amrinone,milrinone)を用いると循環状態は著明に改善するが、長期生存例(2週間以上)を得ることは出来なかった。臨床研究では成人生体肝移植における血流とグラフト重量を実測しグラフト重量に対する至的血流を術後肝機能の立ち上がりから検討した。門脈血流が150-250(ml/min 100g graft)であれば良好な術後経過をたどることを見出した。これはGV/SV(graft volume vs standard volume)ratioのほぼ40%以上に相当する。3年の研究で病態の解明に至ったが治療法の確立には更なる研究が必要である。
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