研究課題/領域番号 |
10470256
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
飯室 勇二 (1999) 京都大学, 医学研究科, 助手 (30252018)
森本 泰介 (1998) 京都大学, 医学研究科, 講師 (60135910)
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研究分担者 |
山本 雄造 京都大学, 医学研究科, 講師 (70281730)
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60263084)
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
森本 泰介 京都大学, 医学研究科, 前講師 (60135910)
飯室 勇二 京都大学, 医学研究科, 医員 (30252018)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
1999年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1998年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | 肝細胞増殖 / 細胞外マトリックス(ECM) / Matrix metalloproteinase / チオアセトアミド(TAA) / 肝硬変 / インテグリン / ILK / Matrix metalloprotease / Matrix metalloprotease(MMP) / adenovirus vector / BrdU labeling index / 肝細胞増殖因子(HGF) / 肝細胞増殖開始機構 |
研究概要 |
細胞外マトリックス(ECM)調節による肝細胞増殖促進法の開発を目指し、ヒトmatrix metalloprotease(MMP)-1をラット肝臓内に強制発現する研究を行った。平成10年度の研究結果より、MMP-1強制発現によりin vivoにおいて肝乾燥重量の増加を伴う肝細胞増殖が誘導された。肝細胞増殖機構の開始には、肝ECMの構造変化自体が直接関与している可能性が示唆された。平成11年度においては、そのメカニズムとして、1)ECMに結合している増殖因子(HGFなど)の関与と 2)ECM-cell相互結合変化による直接的細胞内シグナル伝達の2点について検討した。その結果MMP-1発現によっても肝臓内活性型HGFの著明な増加は起こらず、ECMの肝表面レセプターであるインテグリンの細胞内ドメインに結合するキナーゼ(ILK、FAK)の発現は、MMP-1の発現と肝細胞増殖に伴って、劇的な変化を認めた。また、増殖と関連するβ-cateninの細胞質内集積を認め、細胞間接着因子であるcadherinの発現も一過性に減少した。つまり、MMP-1による肝細胞増殖開始のメカニズムとしてECMとインテグリンの結合変化が直接トリガーとなっていることが推測された。しかし、HGFを含めた増殖因子の関与は完全には否定できず、むしろインテグリンを介したシグナルと増殖因子レセプターを介したシグナルの両者が、今回観察された肝細胞増殖に関与するものと考えられた。また、肝細胞増殖促進の応用として、硬変肝における線維化の改善および肝細胞増殖を誘導できるかを、チオアセトアミド(TAA)ラット肝硬変モデルを用いて検討した。MMP-1遺伝子導入により既存線維化の治療効果を認めたうえ、肝細胞増殖を誘導できることが証明され、ECM操作による硬変肝における肝細胞増殖促進の臨床応用の可能性が示された。
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