研究課題/領域番号 |
10470268
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷田 達男 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (20217144)
|
研究分担者 |
佐川 元保 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (70292274)
佐藤 雅美 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30250830)
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
藤村 重文 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40006078)
小野 貞文 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (80250827)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
|
キーワード | 肺移植 / 肺傷害 / 活性化好中球 / 細胞内信号伝達経路 / protein kinase C / 血管内皮細胞 / transendothelial electrical resistance / アクチン / 内皮細胞 / 接着分子 / 細胞骨格 / シグナル伝達回路 / ICAM-1 / PECAM / シグナル伝達経路 |
研究概要 |
肺傷害は活性化した好中球が肺血管内皮細胞に接着し、キサンチンオキシダーゼ(XO)を介して発生した活性酸素種によって細胞傷害を生じることを示した。一方、XOは好中球に存在せず、血管内皮細胞に多く含まれることからこの肺傷害が血管内皮細胞自体の活性化によって生じる可能性を追及することとした。摘出潅流肺の実験において、活性化好中球が肺血管内皮細胞の信号伝達系を介して肺血管内皮細胞障害を生じせしめるか否かを、protein kinase C(PKC)を阻害することによって確認した。この系ではPKC阻害剤が容量依存性に肺血管内皮細胞傷害を抑制することを示した。さらに、好中球を投与していない潅流肺にPKC作動薬を投与すると同様の肺血管透過性亢進を生じることを示した。一方、血管内皮細胞培養実験においては内皮細胞の蛋白に対する透過性を測定できないために、肺血管内皮細胞培養状態での細胞シートの上下での電気抵抗値を測定し、その変化を見ることによって血管透過性を代表すると考え、以下の実験を行った。ラットから摘出した肺血管内皮細胞を用い、コンフルエントとなった状態で電気抵抗(transendothelial electrical resistance:TER)を測定した後、各種の作動薬・阻害薬を使用し、電気抵抗の変化を経時的に測定した。DMSO(各種薬剤の溶媒)では電気抵抗は変化しなかったがPKC作動薬を加えると、容量依存性に電気抵抗値が低下することが示された。このことは摘出ラット肺での知見を補強するものである。また、血管内皮細胞のアクチンの染色を行ったところ、アクチンは正常状態で細胞周囲線維状に存在したが、PKC作動薬を投与することによって脱重合され細胞内を移動し、核周囲に集合することが確認された。即ち、血管内皮細胞が何らかの刺激で活性化されるとPKCを介してアクチン線維が脱重合を生じ、細胞の形態を変化せしめ、結果的に透過性が上昇することが示された。
|