研究課題/領域番号 |
10470288
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高垣 政雄 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (70252533)
|
研究分担者 |
切畑 光統 大阪府立大学, 農学部, 教授 (60128767)
古林 徹 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (90089136)
小野 公二 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90122407)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2000年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1999年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1998年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
|
キーワード | 悪性脳腫瘍 / 中性子捕捉療法 / 硼素 / BPA誘導体 / 前臨床試験 / 活性相関 |
研究概要 |
Boronophenylalanine(BPA)の脳腫瘍親和性を高め中性子捕捉療法の為のより効果的なホウ素化合物を合成する目的で、BPAの水溶性を保ちつつカルボキシル基やアミノ基である側鎖を順次取除いた各種誘導体を合成し脳腫瘍培養細胞系で実際に中性子捕捉療法を行い腫瘍致死効果および生物活性相関を検討した。その結果、BPAのカルボキシル基をヒドロキシルメチル基に変換したp-boronophenylalaninole(BPAol)が最も高い殺細胞効果をもたらすことを見い出した。そこで、ラセミ体であるDL-BPAolを合成し、メラノーマ担癌ハムスターを用いて治療実験を行ったところ、約20日間以上の腫瘍増殖抑制効果を認めた。中には、完全治癒も散見されるなどin-vivoに於いてもBPAolの高い致死効果を確認した。BPAと比較して4倍以上もの殺細胞効果を認めているDL-BPAolについて、その鏡像体であるD体およびL体を合成し殺細胞効果を検討したところ、L-BPAolでは殺細胞効果が減弱されるのに対して、D-BPAolでは逆に効果が増強されることを見い出した。更に、DL-BPAolは強い細胞毒性が無いことを既に確認しているが、D体にすることで毒性がより軽減されることも見い出した。現在、in-vivoでの治療効果を確認するため、B-10濃縮型のD-BPAolの合成を行っている。 以上の結果は平成12年10月に大阪で開催された第9回国際中性子捕捉療法学会などで発表された。 D-BPAolは中性子捕捉療法のための次期ホウ素化合物として極めて有望なホウ素キャリヤーであることを見い出した。
|