研究課題/領域番号 |
10470312
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 重仁 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30143176)
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研究分担者 |
鈴木 明 浜松医科大学, 医学部, 助手 (30322142)
岩本 竜明 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (70303568)
宮部 雅幸 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (60145589)
中島 芳樹 浜松医科大学, 医学部, 助手 (00252198)
大久保 直光 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (20223761)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | NO発生剤 / 敗血症 / エンドトキシン / Na-ニトロプルッシド / 一酸化窒素(NO) / NO代謝物(Nox) / NO代謝物(NOx) / 出血性ショック / 敗血症性ショック / NO-発生薬 / SNAP / SNP(ソディウムニトロプルッシド) / Nox(NO代謝産物:NO_2,NO_3 / e-NOS / i-NOS / 一酸化窒素 / 一酸化窒素放出剤 / ノルアドレナリン / 血管反応性 |
研究概要 |
10年度:成犬の出血性ショック(HS)中にNOドナー(SNAP)を投与し、予後に与える効果を検討した。SNAP投与群の生存率(100%)は生食投与群(57%)より高値で、HS中の血行動態を改善、HS後のノルアドレナリンに対する血管反応性(NAテスト)を改善、アシドーシスの進行阻止、CAの上昇抑制をみたSNAPがHSの病態に効果的に作用したものと思われるが、NOxの上昇がないことから、外因性NOの血小板や多核顆粒球の血管内皮粘着抑制作用によるのかも知れない。血管反応性はHS後に鈍化したが、SNAP投与群で保たれた。血管の反応性が保たれた結果として予後の改善につながったものと推測される。 11年度:ラットの敗血症性ショックを作成し、臨床的に使用するNOドナーのニトロプルシッドナトリウム(SNP)の効果を調べた。SNPを0.5mg/kg/min投与した後、エンドトキシンとしてEcoli由来LPSを投与し敗血症性ショックを作成し、ショック前、後60分、120分、240分におけるNoxを測定した。対照群は生食を投与した。NOx濃度は、25±9、44±12、48±10mmol/Lと上昇したが、SNP投与群ではNOxの上昇を抑制しなかった。SNP投与群、対照群間で生存率に差はなかった。敗血症性ショックでNOドナーの効果が得られなかったのは、SNP投与ではNOS活性が抑制されなかったからと考えられる。NOドナー投与がNOS活性を抑制するのはin vitroで大量投与である。臨床量のSNP投与は、敗血症性ショックでNOS活性を抑制することはできない。 12年度:ショックモデル作成中に吸入器酸素濃度で予後に差がでる傾向がみられた。HSラットで吸入酸素濃度が、死亡率に及ぼす影響を検討した。機械換気で酸素濃度を21%、100%、自発呼吸で酸素濃度を21%、100%、にする4群に分けた。MAPを40-50mmHgに2時間保ち、2時間後返血し、さらに2時間観察した。機械換気、自発呼吸とも100%ではHS中すべて生存したが、HS回復後2時間の死亡率は21%群より高かった。出血性ショック時の高濃度酸素投与はHS後の血管反応性を低下させ、予後にも悪影響を与えることが示唆された。
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