研究課題/領域番号 |
10470313
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
後藤 文夫 群馬大学, 医学部, 教授 (00092015)
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研究分担者 |
斉藤 繁 (齋藤 繁 / 斎藤 繁) 群馬大学, 医学部, 助手 (40251110)
石埼 恵二 (石崎 恵二) 群馬大学, 医学部, 講師 (50193305)
井上 登美夫 群馬大学, 医学部, 助教授 (80134295)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1998年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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キーワード | 神経障害性疼痛 / アロデイニア / 脊髄 / 下行性抑制系 / セロトニン / NK受容体 / 局所麻酔薬 / 成長円錐 / 肋間神経 / NK-1受容体 / 5-HT / 神経損傷 / 脊髄後角 / 侵害刺激 / G蛋白共役受容体 / 麻酔薬 / 細胞内情報伝達 / G protein / neurokinin / ポジトロン |
研究概要 |
「研究目標」:脊髄神経が損傷されると、皮膚の傷が治った後も、軽い接触などで痛みが誘発される「神経障害性疼痛」が発生する。従来、ラットの坐骨神経を損傷するモデルを用いて神経障害性疼痛の発現機構に関する研究が行われていたが、臨床的には胸部の手術後に発生しやすく、難治性の疼痛となる。そこで、われわれはラットの肋間神経を損傷することによって新たな神経損傷モデルを作成した。また、坐骨神経損傷モデルでは、痛覚下行性抑制系(セロトニン系)の役割を中心に検討した。In Vitroの実験系では高濃度の局所麻酔薬による神経損傷が問題となることから、再生神経組織への影響をE7 Chick Embrio初代培養系を用いて検討した。 「研究成果」:肋間神経損傷モデルでは、肋骨を切断しても神経障害性疼痛は起こらないが、肋間神経を損傷すると、2週間をピークに感覚障害とアロディニアが長期間持続した。また、脊髄後角I,II層のNK-1受容体も術後2週間をピークに増加し、in vivoデータに一致する結果が得られた。一方、セロトニン系と神経障害性疼痛の関連では、今回の研究から5-HT2作動薬のみが脊髄で抗アロディニア作用を示すことが確認された。培養神経細胞では、中枢神経組織の一部として網膜神経節細胞層を、感覚系の末梢神経として腰部後根神経節細胞を、自律神経系組織として傍脊椎交感神経幹を標本としてテトラカインを添加すると、濃度依存的に成長円錐を崩壊させ、神経突起にも形態的変化をもたらした。この変化は非可逆的であり、感受性は、自律神経組織、網膜、後根神経節の順であった。なお、神経成長因子NGFはテトラカインの神経障害作用に影響を与えなかった。現在、この効果がテトラカイン独自のものであるか、他の局所麻酔薬と共通のものであるか検討中である。 臨床研究では、慢性痛に苦しむ患者の脳代謝をPETで観察することにより、痛みと痛覚伝導路の代謝、並びに治療効果との関連を検索し、治療効果に伴う脳代謝の正常化が確認された。
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