研究課題/領域番号 |
10470320
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
須加原 一博 (須賀原 一博) 熊本大学, 医学部, 助教授 (20171126)
|
研究分担者 |
田代 雅文 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (60264305)
矢野 敏之 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (50253729)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
1999年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1998年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
|
キーワード | 急性肺障害 / 創傷治癒 / サイトカイン / 分子生物学 / In Situハイブリダイゼーション / In Situ ハイブリダイゼーション / In Situ ハイプリダイゼーション |
研究概要 |
1.肺胞上皮細胞増殖因子(KGF)による肺障害抑制の機序解明-FGFファミリー特にケラチノサイト増殖因子(KGF)が肺胞II型上皮細胞を特異的に増殖させ、かつ肺表面活性物質アポ蛋白遺伝子発現を著明に増加させること、KGFを2回投与(前投与および後投与)して、ブレオマイシン肺線維症および塩酸肺障害を軽減できることが確認できたことから、KGFによる肺障害抑制の機序を解明する目的で、転写因子(C/EBPα、β、γ、)、肝細胞増殖因子(HGF)、transforming growth factor(TGF)ど細胞増殖および線維化に関与すると思われる因子や創傷治癒に関与するheat shock proteinなどの遺伝子発現動態を検索した。ブレオマイシン肺障害やエンドトキシン肺障害ではC/EBPαが、ブレオマイシン肺障害ではC/EBPδが強く発現)作用しており、肺胞上皮細胞の増殖および線維化と深い関連性が示唆された。さらに、C/EBPδはある種の肺胞II型上皮細胞のみに発現しており、細胞II型上皮細胞にsubtypeの存在が示唆された。今後この肺胞II型上皮細胞の機能が注目される。また、HGFやTGF-βの発現のバランスによる線維化調節やheat shock proteinの一つHdj1が肺に特異的に発現すること、特に肺胞I型上皮細胞あるいは肺胞壁に沿って発現していることから、肺病変修復過程でのこの分子シャペロンの役割などについて研究を進めている。2.C/EBPαとC/EBPδ欠損マウスにおける肺サーファクタント・アポ蛋白質の発現動態の検索-C/EBPα欠損マウスは、生後すぐ呼吸不全を呈して死亡するが、肺は肺胞蛋白症様変化を示し、GM-CSFの低下、肺サーファクタントの産生増加、特にSP-BおよびSP-CmRNAの過剰発現が観察され、C/EBPによるSP-Cの抑制的な調節が示唆された。SP-C遺伝子上で、C/EBPの結合部位を検索してみると、10個の結合部位が推定された。今後これらの部位のSP-Cの機能発現への関与を検索する研究を進めている。3.KGFの一過性脳虚血による海馬神経細胞死の抑制効果-KGFの障害修復作用の機序解明の一つとして、砂ネズミに片側一過性脳虚血モデルを作製し、KGFを脳室内に前投与することで遅発性脳神経細胞死が抑制できるか検索し、アポトーシスの抑制がみられ、KGFに脳虚血障害抑制作用もあることが証明された。
|