研究課題/領域番号 |
10470350
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
香山 浩二 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00068496)
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研究分担者 |
小森 慎二 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60195865)
赤谷 昭子 (長谷川 昭子) 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (50212402)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 9,100千円 (直接経費: 9,100千円)
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キーワード | 卵透明帯 / ブタZPA / トランスジェニックマウス / 男性不妊症 / 精子機能検査 / 体外受精 / ZPA / 受精 / 受精能獲得 / 精子レセプター / 先体反応 / 不妊症 |
研究概要 |
体外受精・胚移植は不妊治療として大変有効であるが、この治療法は精子に十分な受精能力があることが前提となる。しかし、精子の受精能力を診断する上で最も重要な卵透明帯への結合能を検査するには、ヒト卵子が必要となるので、事実上、治療前にこれを知ることは不可能である。ヒト精子が結合できる透明帯を発現する遺伝子改変動物を作出することにより、ヒト精子機能検査に応用できる可能性がある。我々はすでにクローニングして保有しているブタ透明帯成分(pZPA)の組換体タンパクが、ヒト精子と結合することを確認しているので、この遺伝子を導入したトランスジェニックマウスの作成を試みた。まず、J.DEAN博士より供与を得たマウスZPA(mZPA)promoter geneをブタpZPAの上流に繋いでミニジーンを構築し、bluescriptで増幅した。XhoIで切り出し、4μg/μlに調製した。マウスの系統はBDF1を用い、前核期胚の雄性前核にtransgeneを注入した。偽妊娠ICR系マウスの片側卵管に25embryosを移植し、得られた産仔の尻尾をカットして導入遺伝子をPCR法にて選別した。兄妹交配によりトランスジェニックマウス(pZPA8.7K.Tg)を樹立した。これらの系統のうち2系統(_<2,>8)にtransgeneの存在が確認できた。転写産物は卵巣以外に肝臓、心臓、肺などにも検出された。免疫組織的検討からは、卵巣組織内の卵細質内および透明帯にpZPAの存在を示すシグナルが得られた。しかし他の臓器においては蛋白レベルの発現を示す反応は見られなかった。妊孕性に関しては対照動物と同様であった。 pZPA8.7Kを導入したマウスは多くの臓器で対応するmRNAを転写していたが、翻訳産物は本来の合成発現部位である卵母細胞と透明帯に検出された。おそらく本来の発現場所でない組織においては何らかの排除機能が働いているものと考えられる。今後、本研究で作成に成功したトランスジェニックマウスを過剰排卵処理してpZPAを発現する卵子を大量に調製し、ヒト精子との結合を調べ、男性不妊症の精子機能検査として応用できるか否か検討する予定である。また、自身のZPAを欠損したノックアウトマウスを入手し、ZPAを完全にブタタイプにしたトランスジェニック動物の作成も計画している。
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