研究課題/領域番号 |
10470365
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
木下 茂 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30116024)
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研究分担者 |
大久保 公策 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (40233069)
西田 幸二 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40244610)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
1999年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1998年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | 角膜上皮 / 結膜上皮 / ヒト / cDNAライブラリー / 特異的な遺伝子 / カテプシンV / ウロプラキンIb / Clチャンネル / cDNA解析 |
研究概要 |
我々は以前より角膜上皮におけるmRNAの発現プロファイル(expression profile)を作成し発現量の多い遺伝子や発現が特異的な遺伝子について解析してきた。そのexpression profileをもとに角膜特異的な遺伝子として新規のカテプシン(カテプシンV)やウロプラキンIb、Clチャンネルを同定し、機能解析や染色体マッピングを行った。さらに同様のexpression profileを結膜上皮においても作成し、角膜上皮のそれと比較した。 カテプシンVはヒトカテプシンLとアミノ酸レベルで77%の高い相同性を示す新規のカテプシンで、バキュロウイルス発現系を用いて組み換え蛋白を作成したところ、システインプロテアーゼの酵素活性を有していた。RT-PCR法で各組織におけるカテプシンLとの発現量を比較すると角膜のみでカテプシンVが優位であり、角膜上皮において重要な機能を果たしていると推測された。FISH法によりヒト染色体9q22.2にマッピングされ、カテプシンLと15cMの距離にあることが判明した。両者は進化の過程で同一遺伝子の重複により生じた可能性が示唆された。ウロプラキンIbは4回膜貫通型の膜蛋白で既知のものと3'末端の異なるアイソホームであった。RT-PCR法で従来から知られている移行上皮だけでなく眼表面上皮にも高発現していることが確認された。ペプチド抗体を用いた免疫組織化学では角膜上皮、輸部上皮、結膜上皮の細胞膜に発現がみられ、特に角膜上層上皮に強い染色がみられた。新規のClチャンネルは943アミノ酸からなり、ヒト染色体1p32に位置していた。角膜上皮に存在する他のClチャンネルと比較して約100倍多く発現していることから、角膜の透明性維持に関連する最も主要なClチャンネルであると想像された。 正常結膜上皮のexpression profileは角膜上皮のそれとは大きく異なり、非角化上皮にみられるケラチン13を筆頭に、MHCの構成蛋白であるbeta-2ミクログロブリン、炎症性メディエーターの調節に関与しているリポコルチンなどの発現量が多かった。結膜上皮特異的で未知な遺伝子は発現頻度0.3%で2つ存在していた。
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