研究課題/領域番号 |
10470368
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
望月 學 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10010464)
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研究分担者 |
秋山 隆志 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50282736)
田中 住美 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手
世古 裕子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60301157)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | ぶどう膜炎 / アポトーシス / 可溶性Fasリガンド / 可溶性Fas / サイトカイン / 前房水 / T細胞クローン / ヒト / 局所防禦機構 / HTLV-I / FPLCカラムクロマトグラフィー / 免疫抑制 |
研究概要 |
本研究では、眼内の局所防御機構の解明を目的として、前房水の免疫抑制活性について、免疫学的・分子生物学的研究をおこない、以下の成果が得られた。サイトカイン産生能の高いぶどう膜炎患者眼内浸潤細胞由来のT細胞クローン(TCC)の培養液に、老人性白内障患者の手術時に採取した前房水を添加したところ、前房水の濃度に依存して、TCCによるサイトカイン(TNF-α、IL-6)産生が抑制され、分子量の異なる4つのサイトカイン産生抑制分子が同定された。そのひとつの分子は、可溶性FasLと同分子量であった。老人性白内障患者の前房水には、サンドイッチELISA法で可溶性FasLおよび可溶性Fasが検出され、それぞれ273+/-341pg/ml,67+/-129mg/mlであった。一方、ぶどう膜炎患者の前房水では、可溶性FasLと可溶性Fasはそれぞれ154+/-205pg/ml,888+/-580pg/mlであった。以上から、前房水には可溶性FasLが正常な状態でも存在し、眼内にFas陽性の炎症細胞が浸潤するとFas陽性細胞のサイトカイン産生抑制あるいはアポトーシスを誘導する可能性が考えられた。ぶどう膜炎の動物モデルの実験では、眼内炎症の時間経過に伴い眼内の組織にFas腸性細胞とFasL陽性細胞が検出され、同時にアポトーシス細胞が出現したことから、Fas/FasLシグナルを介したアポトーシスが眼内炎症をdown-regulateする機構の存在が強く示唆された。以上の結果に基づいて、現在、ヒトの眼においても、可溶性FasLにより前房水の浸出細胞が実際にアポトーシスあるいはサイトカイン産生抑制を起こすかどうか、そして、前房水を抗FasL抗体で前処理することによりアポトーシスおよびサイトカイン産生抑制が中和されるか否かについて研究を継続している。
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