研究課題/領域番号 |
10470370
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 正 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40028569)
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研究分担者 |
草深 竹志 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70263267)
鎌田 振吉 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40161202)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 食道閉鎖症 / アドリアマイシン / 三次元構築 / 発生 / 分化 / 動物モデル |
研究概要 |
アドリアマイシンを妊娠ラットに投与することにより、ヒト食道閉鎖・気管食道瘻を高率にかつ再現性よく発生するモデルを確立した。 このモデルにて得られた発生異常を呈する胎児と、正常胎児とにおいて、前腸の正常発生と、食道閉鎖・気管食道瘻に至る発生異常とを、三次元構築画像を用いて形態的に観察した。 正常では妊娠11日目に前腸腹側に肺芽が出現し、気管・食道気管は気管原基の尾側への延伸によってのみ形成され、両者の分岐部は気管食道中隔説で言われているように頭側へは移動せず、あたかも固定された分水嶺であるかのように観察された。 一方ADMラットでは、妊娠11日目には正常と同様の場所に肺芽が形成されるが、正常状態での分水嶺に相当するものがないか、或いは脆弱であるかのように肺芽と背側の食道になる前腸部分が分離せず、共通前腸管として尾側に伸びていき、気管分岐部の高さで左右の気管支原基が分岐し、形態上三分岐になって気管食道瘻の形が形成されるものと思われた。また、正常と比較して際だった脊索の形態異常が観察され、これは肺芽が初めて形態上認められる妊娠11日目から明らかであった。 これらのことから、正常状態での前腸の発生分化では、気管は肺芽の尾側への進展により形成されていき、また食道閉鎖・食道気管支瘻は、前腸がもっぱら気管様に分化してしまうことでその形成が行われることが考えられた。さらに正常でみられる気管・食道の分岐部の固定された間質様のものはみられず、また前腸と関連すると思われる脊索異常が発生当初からみられることより、食道閉鎖・食道気管支瘻の形成には前腸と、その周辺の間質組織との細胞間コミュニケーションの異常が関わっていることが示唆された。
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