研究課題/領域番号 |
10470380
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
栗栖 浩二郎 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (50028346)
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研究分担者 |
田畑 純 大阪大学, 歯学研究科, 助手 (20243248)
岩本 容泰 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (30223431)
脇坂 聡 大阪大学, 歯学研究科, 助教授 (40158598)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 歯胚 / ソニックヘッジホッグ / 器官培養 / マウス / 形態形成 / 発生 / 組織分化 / アンチセンスオリゴDNA |
研究概要 |
本研究では、Shhによる歯胚の形態形成の分子機構解明を目指した。Shh As oligoのキネティクス、Shhタンパク発現量の変動と歯胚発生に及ぼすAs oligoの影響の関連性をより詳細に検討した。培養歯胚に添加したShh As oligoは、添加12時間で歯胚組織全域に浸透し、このころから歯胚組織内でのShhタンパクは減少した。さらに6時間程度遅れて歯乳頭細胞の凝集及び増殖の低下が観察された。また、Shhおよび、その関連遺伝子であるPtc-1,2,Gli-1の発現減少は、組織変化に先立って観察されたが、hedgehog interacting protein(Hip)や、Bmp-4、Msx-1などの発現は、24時間以上遅れて観察されたので、As oligoはShhとそのシグナル伝達経路を特異的に抑制することが判明した。また、As oligoの特異性を最終的に確認するためにAs oligo処置した培養歯胚に発現ベクターを用いて異所性に遺伝子導入したところ、Shh遺伝子導入部位の近傍でのみ歯胚形態の変化が抑制された。すなわち、レスキューが可能であった。さらに、ウシ歯胚より、エナメル芽細胞層と中間層細胞層を分離して両者の組み合わせ実験を行ない、ShhがPtc-2を介した上皮-上皮のシグナル分子である可能性を追求した。エナメル芽細胞層は、単独で培養すると1日以内にShh分泌を停止し、形態的な分化も観察されなかった。一方エナメル芽細胞層と中間層細胞層両者を組み合わせて培養すると、良好なエナメル芽細胞の分化が観察された。すなわち、エナメル芽細胞の分化には、中間層細胞が何らかの役割を果たす可能性がある。以上の結果より、Shhは上皮肥厚期から鐘状期に至る歯の発生過程において必須の制御因子であることが強く示唆された。
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