配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
2000年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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研究概要 |
ポルフィロモナスジンジバリスは口腔偏性嫌気性細菌であり、慢性(成人型)歯周炎の発症・増悪に密接な関係がある。本菌は糖非発酵性であり、菌体外のタンパクを分解し、ペプチドとして菌体内に取り込み、栄養源としている。そのため、必然的に強力なタンパク分解酵素を菌体外に産生分泌する。主要なタンパク分解酵素としてアルギニン-ジンジパイン(Rgp)とリジン-ジンジパイン(Kgp)があり、3つの遺伝子(rgpA、rgpB、kgp)によってコードされていることを発見した(当該基盤研究以前の成果)。これらの遺伝子のそれぞれ単独、二重、三重変異株を作製し、性状を調べたところ、kgp遺伝子は本菌の黒色集落形成性(ヘム蓄積性)に関与すること(Okamoto et al.,J.Biol.Chem.,273:21225-21231,1998)、Rgp活性は本菌の菌体表面タンパクやプロテアーゼの成熟化に関与すること(Kadowaki et al.,J.Biol.Chem.,273:29072-29076,1998)、Rgp Kgp完全欠損株(rgpA rgpB kgp3重変異株)ではタンパクを唯一の栄養源とする培地では生育しないことから本菌の栄養源獲得において必須であること(Shi et al.,J.Biol.Chem.,274:17955-17960,1999)、さらにヘモグロビン結合性や赤血球凝集性にこれらの遺伝子が重要な働きをしていること、またヘモグロビン結合性にはこれらの遺伝子の内部ドメインであるHbR(HGP15)ドメインタンパクが、赤血球凝集性にはHA(HGP44、HGP17、HGP27)ドメインタンパクが関わっていること(Nakayama et al.,Mol.Microbiol.,27:51-61,1998;Shi et al.,J.Biol.Chem.,274:17955-17960,1999)がわかった。HbR内部ドメインについてはその領域DNAを発現ベクタープラスミドに組み込み、大腸菌にて大量発現させ、精製した。アフィニティークロマトグラフィーや表面プラズモン共鳴法により、この精製HbRはへモグロビンに結合することがわかった(Nakayama et al.,Mol.Microbiol.,27:51-61,1998)。
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