研究課題/領域番号 |
10470401
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
尾崎 登喜雄 高知医科大学, 医学部, 教授 (70031995)
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研究分担者 |
植田 栄作 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10203431)
山本 哲也 高知医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00200824)
米田 和典 高知医科大学, 医学部, 助教授 (90182849)
木村 剛 高知医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10294836)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | アポトーシス誘導 / 分化誘導 / p53 / p21 / bcl-2ファミリー / CdK / cdk |
研究概要 |
口腔癌から分離、樹立した扁平上皮癌細胞株を用い、集学的治療の立場より、分化・アポトーシス誘導を試み、その機序を検討した。すなわち、株化細胞を放射線(γ線)、抗癌剤(5-FU、ペプロマイシン)、分化誘導剤(TGF-β、ベスナリノン)、あるいはLAK細胞(IL-2によって誘導)でもって処理した後、細胞周期制御因子(p53、p21、cyclin D and E、Bcl-2、Bax)の発現、細胞内活性酸素、カスパーゼの活性化等より、分化・アポトーシスを検討した。その結果、 1,TGF-βおよびベスナリノンによってG1 arrestによる分化が誘導された。その際、p21によるRb蛋白のリン酸化抑制はp53に非依存性であった。 2,5-FUおよびペプロマイシンあるいは放射線により、分化誘導は認められたものの、アポトーシス誘導が観察され、放射線と抗癌剤の併用は相加的効果をもたらした。これらによるアポトーシスにおいて、5-FUではS期に、放射線ではG2期に細胞が集積した。 3,LAK細胞と抗癌剤および放射線との相加的、相乗的効果が認められ、特に、放射線照射後にLAK細胞で処理した場合には、強い相乗効果が認められた。LAKによるアポトーシス誘導は、Fas-Fas Lによるcaspase-3の活性化と共に、granzyme Bにも依存し、さらには、ミトコンドリア内の活性酸素の上昇によっても支持されていた。 以上の結果より、口腔扁平上皮癌に対しては、免疫・化学・放射線による集学的治療が有効であると示唆された。実際に、5-FU、ペプロマイシン、γ線に加えてLAK治療を行った口腔癌は、LAK治療を行わなかったものより、より良好な治療効果が得られた。
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