配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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研究概要 |
象牙芽細胞と下層の細胞間の機能的結合について明らかにした. (1)Dye-couplingであることの証明.一方の細胞に低分子色素lucifer yellowを注入し,イオン導入すると他方の細胞もこの色素に染まる.しかし,couplingで結合していない細胞は傍にあっても染まってこない.このことから,色素は細胞外に漏れて,細胞膜を染色しているのではなく,細胞間結合dye-couplingを介して隣接異種細胞に広がったことが明らかになった. (2)Gap-junctionの電子顕微鏡学的研究.(1)で存在が示された,結合がギャップジャンクションであることを,電子顕微鏡学的に確認した.細胞内に注入したlucifer yellowが結合部位を介して,他方の細胞に伝播することを確認した後に細胞を固定し,透過式電子顕微鏡を用いて観察した.こうした細胞間には必ずgap-junctionが存在した. (3)Electrical couplingであることの電気生理学的証明.(1)(2)で形態学的確認をした細胞間結合を介して,イオンおよび物質が両方向性に伝達できることを証明した.なお,象牙芽細胞,他の細胞ともに電位依存性のNaあるいはCaチャンネルを有しなかった.すなわち,両方の細胞とも感覚受容器とは考えにくい.今回の結果から,象牙芽細胞層の細胞はelectrical couplingを介した伝達を行うことにより,細胞連合体を形成している.この伝達は象牙芽細胞から他の細胞への方向が,より動きやすくasymmetricなものであった.
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