研究課題/領域番号 |
10470406
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松尾 敬志 徳島大学, 歯学部, 教授 (30173800)
|
研究分担者 |
尾崎 和美 徳島大学, 歯学部, 助手 (90214121)
中西 正 徳島大学, 歯学部, 助手 (00217770)
中江 英明 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (30227730)
吉田 佳子 徳島大学, 歯学部, 教務職員 (20243727)
藤中 恵子 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (00294710)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
1999年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1998年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
|
キーワード | 感染根管 / 免疫染色 / 象牙細管 / 口腔内細菌 / 根管壁 / 根尖病巣 / 根管拡大 / 根尖部 / バイオフィルム / 局在 / 難治性根尖性歯周炎 / 歯根部象牙細管 / 侵入 |
研究概要 |
ヒト感染根管における細菌侵襲の実態を明らかにすることを目的に、感染根管内の細菌および根管壁に侵入した細菌の局在を免疫組織学的に検討した。歯髄死と判定されかつ臨床上抜歯の適応と診断された歯を被験歯とし、16種の口腔内細菌に対する抗血清を用いて根管内および根管壁の象牙細管に侵入している細菌を同定すると共にその局在を検索した。その結果、根管内を検索した全ての被験歯において細菌が認められた。検出頻度の高かった細菌種は歯冠側ではStreptococcus mutans、中央側ではLactobacillus casei、そして根尖側ではS.sanguisおよびPrevotella nigrescens/P.intermediaであった。一方、根部象牙細管に細菌の侵入していたものは被験歯の70%であった。検出頻度が高かった細菌種はF.nucleatum,E.alactolyticum,L..casei,P.microsであった。C.rectus,A.viscosus,T.denticolaは根部象牙細管にほとんど検出されなかったが、根管内にはよく認められたことより、歯根部象牙細管に侵入しやすい細菌と侵入しにくい細菌の存在することが明らかとなった。感染根管に棲息する細菌の内、特に根尖部の最近は根尖歯周組織へ直接侵襲する可能性が高く、根尖性歯周炎の実態を解明するうえで重要と考えられる。今回、根尖部における細菌感染の実態を調べたところ、根尖部の細菌が根尖孔外に侵出してバイオフィルム状になっている場合のあることが明らかとなった。そして、このバイオフィルム中には、S.mutansやPorphylomonas gingivalis、Campylobacter rectusの存在することが確認された。根尖孔外に認められたこれらの細菌および歯根部象牙細管内の細菌は根管治療によっても除去されないことより、これらの残存した細菌が根管治療で治癒しない、いわゆる難治症例の原因になっている可能性が示された。
|