研究課題/領域番号 |
10470409
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
加藤 喜郎 日本歯科大学, 新潟歯学部, 教授 (20060452)
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研究分担者 |
田中 紀裕 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (40318548)
海老原 隆 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (40287777)
新海 航一 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (90147843)
大原 睦 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (30297957)
北村 慶史 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (60307965)
須崎 智勝 日本歯科大学, 新潟歯学部, 助手 (60287779)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | カニクイザル / 直接歯髄覆罩 / レーザー / 接着性レジン / 水酸化カルシウム / レジンハイブリダイジング / 病理組織学的変化 / 長期臨床予後成績 / CO_2レーザー / Nd:YAGレーザー / 水酸化カルシウム製剤 / 機能性モノマー / 直接歯髄覆罩剤 / 交互洗浄剤 / Nd-YAGレーザー / 半導体レーザー |
研究概要 |
カニクイザルに直接歯髄覆罩を行い病理組織学的に検討した結果、接着性レジンの歯髄刺激は無いか、有っても極めて少なく材料間で差が認められた。選択した接着性レジンで直接歯髄覆罩して歯髄が安静に保たれれば、経時的に被蓋硬組織を形成し治癒に向かう傾向にあった。水酸化カルシウムと接着性レジンをハイブリダイジングすると被蓋硬組織の形成速度と形成厚さが増加した。また、サブベース、ベース材としての無機セメントの必要性がないことが示唆された。露髄面に対する交互洗浄剤については、濃度を上げて使用することが必ずしも象牙質削片を効果的に洗浄し、創傷治癒促進に繋がらないことが判明した。露髄面に対するレーザー照射も、照射によって積極的な修復変化を導き出すような所見は認められなかった。メーカー2社の協力を得て石灰化促進剤を添加した接着性レジン直接歯髄覆罩剤の試作・検討を行った。その結果、Phenyl-P系材料ではPR2B応用群とPR2応用群が、4-META/MMA-TBB系材料では、ポリマーに3%、5%、10%の割合で水酸化カルシウムを添加したものが、高分子系直接歯髄覆罩剤として使用できる可能性があることが示唆された。臨床で偶発露髄や不顕性露髄を認めた患者15名18歯に、承諾を得た後、接着性レジンで直接・間接歯髄覆罩を行い長期臨床経過観察を行った。その結果、患者13名16歯(88.9%)の平均約4年経過後の成績は極めて良好であった。患者2名2歯(11.1%)は歯髄壊死を惹起して予後不良であった。以上よりヒトにおいても接着性レジン系材料の歯髄刺激性は極めて少なく、材料間で差があることが確かめられた。すなわち、症例や使用材料によっては、接着性レジンは直接歯髄覆罩剤として使用できる可能性があることが確かめられたが、同時に歯髄を中心とする患歯の条件や修復の条件についても、今後さらなる検討を要することが判明した。
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