研究分担者 |
佐藤 範幸 北海道大学, 歯学部, 助手 (00271669)
亘理 文夫 北海道大学, 歯学部, 教授 (70158682)
久保木 芳徳 北海道大学, 歯学部, 教授 (00014001)
宇尾 基弘 北海道大学, 歯学部, 助手 (20242042)
上田 康夫 北海道大学, 歯学部, 講師 (30241342)
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研究概要 |
1:ハイブリッド型人工歯根膜の動物埋植実験(組織工学による人工歯根膜の開発) (方法)ビーグル犬の切歯・小臼歯を抜歯し,歯根中央部(中間部)を歯根周囲に沿って3mm幅で部分削除した歯根を準備した.露出した象牙質面に(1)TGF-β super familyの一員であるBMPを含浸した線維性コラーゲン膜(以下FCMと略)を張り付けた群をBMP/FCMとし,(2)FCMのみを張り付けた例,(3)FCMを投与しない例,および(4)単純再植例を対照群として比較検討した. (結果)術後X線像によると,再植した歯根はいずれも一時的に(術後2週目まで)歯根膜腔の拡大を生ずる傾向があるが,その後次第に正常化する.その変化はBMP/FCM投与群の方が,FCM投与群、非投与群よりも急速であった.組織学的観察ではBMP/FCM群においてセメント質様組織の再生と,歯根膜再生の証拠となる「歯根表面からの垂直性コラーゲン線維」の再生が,欠損部周辺から開始されるのを確認できた. 2:1の動物埋植実験を検証するためのヒト再植歯・自家移植歯のX線的臨床観察 再植成功例では術後1週以内に,僅かに歯根膜腔の拡大は認められるが術後2週には正常化像を示した.自家移植成功例では術後2週目までは歯根と歯槽骨との空隙が拡大するが,術後3週目から次第に正常化し,術後4週で正常な歯根膜空隙が確認できた. 3:2のヒト再植歯のX線的臨床観察を検証するための家兎再植歯の組織学的観察 家兎臼歯の再植歯における組織学的観察では,再植直後では歯根膜線維の機能的走行は保たれたまま中央部で切断されていた.術後1週間では,歯根膜線維の機能的走行は乱れ,歯槽骨の吸収が認められた.術後4週間では歯根膜線維の機能的走行が回復しているのが確認でき,歯根膜空隙も対象歯と同程度であることが確認できた.
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