配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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研究概要 |
新規化合物である亜リン酸アルミニウムAl_2(PHO_3)_3の熱分解と結晶成長に基づく膨張を利用した歯科鋳造用埋没材の開発を試みた。亜リン酸アルミニウムは加熱により分解し,非晶質を経て新たなリン酸塩の析出と結晶成長により膨張する。この熱分解反応を熱分析,ガスクロマトグラフィ,X線回折により基礎的に調査し,さらに,これを耐火材として石こう系,リン酸塩系埋没材とした場合の応用可能性を検討した。その結果,400℃付近で熱分解し,非晶質を経てオルソリン酸塩とメタリン酸塩が結晶析出した。その後の加熱によって,これらの結晶成長にともなう大きな膨張が起こった。この膨張量の調整は自由に行えることを特長としており,加熱膨張のみによる歯科鋳造用埋没材の開発可能性が示唆された。 亜リン酸アルミニウムを配合して石こう系埋没材を試作し,その理工学的性質と銀パラジウム金合金を鋳造した際の適合性を検討した。その結果,操作性(混水比,フロー,硬化時間)をあまり変えることなく,加熱膨張量を自由に調整でき,鋳肌も良好で適合性のよい鋳造体を得ることができた。また,試作埋没材の圧縮強度も十分で,配合量の調整によって硬化膨張量を0.2%以下にすることができた。さらに,シリカ系耐火材を併用し,配合量を調整することで,直線的な膨張を示す埋没材が得られた。
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