研究課題/領域番号 |
10470474
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
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研究分担者 |
大桃 善朗 大阪薬科大学, 助教授 (70183241)
間賀田 泰寛 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (20209399)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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キーワード | 脳機能 / ニコチン受容体 / モノアミン酸化酵素 / 放射性機能分子 / 画像解析 / インビボマッピング / ベンゾジアゼピンジアゼピン受容体 / 光学異性体 / 脳 / 放射性リガンド / ラジオレセプターアッセイ / 体内分布 / 構造-活性相関 / ポジトロンCT / シングルフォトンCT / 酵素結合 / 脳局所分布 |
研究概要 |
本研究は、生きている脳での神経伝達機能のインビボ定量解析法として、放射性光学異性体を機能探索分子として利用する放射線画像計測法を開発することを計画した。そのために、放射性核種として核医学画像解析に優れた性質を持つ放射性ヨウ素123-Iを選択するとともに、光学異性体には、測定対象となるレセプター、トランスポーター、酵素などとの結合において親和性に大きな差を有するものがあることを考慮して、光学活性的純度の高く、かつ対象タンパク質に親和性の高い機能探索分子を開発し、その有効性を評価した。即ち、パーキンソン病や精神分裂病等と関連すると言われているドーパミン神経伝達に関与するモノアミン酸化酵素(MAO)機能を画像解析するための放射性探索分子として、MAOAおよびBのそれぞれの阻害剤であるクロルリジンおよびRo16-6491を母体化合物として、それらと各酵素との相互作用に加え、合成の容易性、体内での安定性等を考慮して、クロルリジンに対しては6位に放射性ヨウ素を導入した誘導体、また、Ro16-6491には2位に塩素、4位に放射性ヨウ素を導入した誘導体を設計し、それらが、それぞれMAOA,Bに対して高い親和性と選択性を有することを見いだした。また、記憶等に関連すると言われているアセチルコリン神経伝達機能の解析には、本神経伝達系のニコチン受容体に親和性の高いニコチンを母体化合物として選択し、レセプター相互作用に関する構造活性相関的考察により、ニコチンのピロリジン環部をアゼチジン環に変換し、またピリジン環の5位に放射性ヨウ素を導入した光学活性な(S)-5IAを設計した。その結果、本化合物は、(S)-ニコチンの約10倍高い中枢ニコチン受容体親和性を示した。また、本化合物の放射性標識体を合成してラジオレセプターアッセイを行ったところ、ニコチン受容体のサブタイプのうち、α4β2型に選択性の高い結合を示すことが見いだされた。さらに、125-ヨウ素標識5IAをラットに靜注し、その局所分布を調べた結果、脳への高い移行性とともに、ニコチン受容体の密度に応じた脳内局所集積を示し、インビボでも脳内のニコチン受容体に結合していることが示された。
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