研究課題/領域番号 |
10470488
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
和久 敬蔵 帝京大学, 薬学部, 教授 (90013854)
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研究分担者 |
近藤 佐知子 帝京大学, 薬学部, 助手 (10286982)
岸本 成史 帝京大学, 薬学部, 助手 (60234217)
山下 純 帝京大学, 薬学部, 講師 (80230415)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1999年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | カンナビノイド / アラキドノイルグリセロール / モノグリセリド / アナンダミド / アラキドン酸 |
研究概要 |
我々は、内在性カンナビノイドレセプターリガンドである2-アラキドノイルグリセロールが、培養神経系細胞であるNG108-15細胞において、カンナビノイドCB1レセプター依存性機能により、速い一過性の細胞内遊離Ca^<2+>濃度上昇をもたらすことを見いだした。次いで我々は、本化合物の構造類緑体を24個合成し、それらの上記活性を測定したところ、2-アラキドノイルグリセロールは0.3nMという低い濃度から活性が認められ、最大活性も他の全ての類緑化合物よりも強いことが明らかになった。合成カンナビノイド受容体アゴニストであるHU-210やCP55940でも同様に0.3nMから活性が見いだされたが、その最大活性は2-アラキドノイルグリセロールよりも低いものであった。以上の結果から、カンナビノイドCB1受容体の本来のリガンドが2-アラキドノイルグリセロールであることを強く示唆するものである。次に本物質の生合成機構を研究した。ラット脳ホモジネートにおいて、2-アラキドノイルグリセロール及びアラキドン酸含有ジアシルグリセロールが速やかに生成した。また、外からアラキドン酸含有ジアシルグリセロールを添加した時には、2-アラキドノイルグリセロールの生成が認められた。次に、放射標識した種々のリン脂質を基質として加えると、2-アラキドノイルグリセロールやアラキドン酸含有ジアシルグリセロールは、ホスファチジルコリンやホスファチジルエタノールアミンなどではなく、ホスファチジルイノシトールから生成することを明らかにした。これらの結果から、2-アラキドノイルグリセロールは、脳ホモジネート中では、主としてホスファチジルイノシトールなどのイノシトールリン脂質から生じたジアシルグリセロールが、更にジアシルグリセロールリパーゼによって分解されて産生されるものと考えられる。
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