研究課題/領域番号 |
10470496
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
寺田 弘 徳島大学, 薬学部, 教授 (00035544)
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研究分担者 |
山崎 尚志 徳島大学, 薬学部, 助手 (20271083)
篠原 康雄 徳島大学, 薬学部, 助教授 (60226157)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,200千円 (直接経費: 12,200千円)
1999年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1998年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | エネルギー代謝 / 酸化的リン酸化 / ミトコンドリア / 解糖系 / 抗がん剤 / II型ヘキソキナーゼ / 1型グルコース輸送担体 |
研究概要 |
申請者らは、悪性度の高いがん細胞で、II型ヘキソキナーゼが多量に発現しているという事実をつきとめることに成功した。しかし、がん細胞で「どのようにして」II型ヘキソキナーゼが多量に発現するようになるのかは未だ明らかでない。そこで、本研究では、がん細胞におけるII型ヘキソキナーゼの転写亢進機構の解明に向けた研究を行った。得られた知見は以下の通り。 1.まず、どのような条件下で、II型ヘキソキナーゼの転写レベルが亢進するようになるのか、条件の検索を行った。その結果、がん細胞を腹腔内で増殖させるか、あるいはシャーレ中で培養するかという培養条件の変化だけで、II型ヘキソキナーゼの転写レベルの顕著な変動が起こることを見いだした。また、やはりがん細胞で高い転写レベルを示すことが知られている1型の糖輸送担体についても解析を行ったところ、細胞の増殖条件に応じて、その転写レベルも、著しく変動することが明らかになった。 2.次いで、このような変化をもたらす要因を明らかにするために、低酸素と血清応答性因子の関与の可能性を検討した。その結果、1型の糖輸送担体とII型ヘキソキナーゼの転写レベルに対し、低酸素はほとんど影響しなかったが、血清刺激によって、これらの転写レベルが特異的かつ顕著に亢進することを見いだした。 これらの実験結果から、がん細胞では、その増殖条件の変動に伴って、1型糖輸送担体とII型ヘキソキナーゼの転写レベルが劇的に変動し、特徴的な糖代謝経路が形成されることならびにその形成を支配している主たる要因が血清応答性因子であることを結論した。
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