研究課題/領域番号 |
10480029
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
科学教育
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
中山 玄三 熊本大学, 教育学部附属教育実施研究指導センター, 助教授 (40211437)
角屋 重樹 広島大学, 教育学部, 教授 (80136027)
武村 重和 広島大学, 教育学部, 教授 (70112159)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1999年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1998年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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キーワード | 科学素養 / 生涯発達 / 社会的文脈 / 学校理科教育 / 理科教科課程 / 理科教授学習 |
研究概要 |
本調査研究の目的は、(1)生涯発達的な視座から、学校理科教育は科学素養の再生産にどう寄与しているのか、(2)科学素養の獲得とその変容に、領域固有性は認められるのか、(3)科学素養の年齢変化は、社会的文脈による影響を受けるのか、という問題を解決することにある。理科教育関係者のヒアリングに基づき、科学素養の態度面、認知・操作面を測定する質問紙を開発して調査を実施し、次の2点について検討を行った。 (1)日本とフィリピンの2国間で被験者の科学素養の形成を比較して、学校理科学習や社会的文脈の違いによる影響について検討を行った。 (2)両国それぞれで、気候風土や都市基盤、言語文化など社会的文脈が異なる2地域を比較して、科学素養の態度面、認知・操作面の生涯発達への社会的文脈の影響について検討を行った。 調査分析の結果から、以下の特徴が得られた。 (ア)国レベルでの社会的文脈の違いは科学素養の形成に影響を及ぼしていたが、国内の地域レベルでの社会的文脈はあまり影響を与えていなかった。 (イ)生涯発達に関して、態度面では日本において年齢進行に伴う変容が見られたが、フィリピンにおいては年齢によらず安定していた。認知・操作面では、日本において年齢進行に伴い到達速度が徐々に伸びたが、フィリピンにおいては初等・中等教育段階で伸びていない。両国の成人では中等教育段階前期の水準以上の正答率が確保され、義務教育レベルの学力が維持されていた。 よって、科学素養の育成を目指す学校理科教育に対して、以下の提言が示された。 (1)教育課程や授業の編成時に、国レベルでの顕著な社会的文脈に配慮が必要である。社会的文脈のどの項目が科学素養の発達に影響するか詳細に吟味する必要がある。 (2)国内地域間での社会的文脈の違いには、現状以上に配慮する必要はなく、国レベルでの統一教科課程の使用は妥当と判断できる。
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