配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1998年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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研究概要 |
本研究では、日本語表現に使用された「名詞」の意味決定の問題を中心に日本語の意味解析技術に挑戦した。従来の研究では、要素合成法の立場から、表現の意味と表現の構造を分離し、別々に扱うのが普通であった。しかし、表現の意味を決定するには、名詞の辞書的な意味とそれが使用された表現構造の知識を組み合わせた処理方式が必要と考えられる。そこで、本研究では、実際に使用された表現の構造に着目して、単語間の意味的関係をパターン化することにより、表現構造の持つ情報の活用を図った。 具体的には、日英言語を対比する立場から、「和英辞書」を用いて、名詞の持つ語義の量的構造を明らかにするとともに、最近完成された「日本語意味辞書」を用いて、助詞「の」、「と」及び形容詞を含む日本語名詞句の意味的係り受け関係を決定するパターン規則を実験的に求め、それによる名詞の語義決定能力を明らかにした。また、その結果を拡張して名詞句全体の解析に適用し、名詞訳語の決定に有効な方法を提案すると共に,各種の名詞句に応用してその効果を明らかにした。 主な適用対象は,(1)形容詞と名詞の関係に関する解析,(2)名詞と名詞の関係に関する解析,(3)抽象名詞を有する日本語表現の解析,(4)数量型名詞句の翻訳規則に関する研究,(5)名詞の訳語選択技術,(6)時間と空間に関する表現の意味解析,(7)その他の意味解析である。このうち,(8)については,研究途上であるが,他の課題については,解析精度が十分と言えないものもあるが,ほぼ,実用できそうな結果が得られた。
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