研究課題/領域番号 |
10480077
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
知能情報学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
濱 裕光 大阪市立大学, 工学部, 教授 (20047377)
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研究分担者 |
松平 進 園田女子学園, 近松研究所, 所長(研究職) (80067793)
佐藤 昌子 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (80047232)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1998年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | マルチメディアDB / イメージキーワード / イメージインデキシング / 感性情報処理 / 自由曲線 / ベゼ曲線 / 制御点 / カラーヒストグラム / イメージ キーワード / イメージ インデキシング / 3Dマッチング / 絵画DB / 役者絵 / 人物同定 / 曲線マッチング / 類似度 / 印象語 |
研究概要 |
人間にとって優しいしかも示唆に富んだ柔軟な知的DB(データベース)システムの構築を目指すとき、人間の感性に基づく検索が不可欠となる。しかし、人間の感性とDBを結びつける研究はまだ緒についたばかりで、現在多方面で模索中である。現在ある多くのDBシステムでは、人間の感性に基づくイメージ表現や修飾語表現による検索は不可能であり、文字キーワードによる検索が中心となっている。本研究では、画像DBにおけるイメージ検索を表現するために、従来の文字キーワードに代わるイメージキーワード開発を行い、具体的な応用事例として、浮世絵に適用してその有効性を検証した。 まず、線画イメージの表現にはベジェ曲線を用い、任意の自由曲線の最良近似を与える制御点を求めるための高速で頑健な手法を提案した。本手法は、3次から6次までのノイズを含む種々のベジェ曲線に適用され、非常に良好な近似結果を得ている。 次に、2曲線間の距離を求めるために新しく導入した類似度は、曲線上の対応点でなく制御点間の距離により定義されるので、非常に高速に計算される。ユークリッド距離に代わって新しく導入されたアップルノード距離により、高精度で高速な類似度計算が可能となった。本手法を浮世絵に描かれた役者の同定と分類に適用し、その有効性を明らかにした。髪型は扮する役柄によって大きく異なるので、役柄の判定には使えても、役者の特定には利用できないので、ここでは顔全体と目、鼻などの輪郭を用いて形状分類の実験を行い、その結果が視覚的にも一致することを示した。また、顔の向きや表情が異なる25枚の役者絵から全ての役者(4人)を正しく同定することができた。 最後に、絵画におけるコンテンツベースの検索のために色情報を利用する新しい方法を提案した。ここでは、色相によるヒストグラム表現が中心的に用いられている。3人の浮世絵師「写楽、広重、北斎」により描かれた人物画、風景画とwww(world Wide Web)上の写真、合計400枚のヒストグラム分析の結果から、色相ヒストグラムに明確な違いが見られ、浮世絵師の同定と写真との区別が可能なことを明らかにした。浮世絵師による色使いの違いがはっきりと現れ、役者の肌の色にも特徴が見出され、本手法の有効性を確認している。これらのことは定性的には専門家の間ではよく言われてきたことであるが、ここでは定量的に実証している。
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