研究分担者 |
阪部 周二 大阪大学, 光学研究科, 助教授 (50153903)
白神 宏之 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助手 (90183839)
兒玉 了祐 (児玉 了祐) 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助手 (80211902)
椿本 孝治 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助手 (90270579)
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研究概要 |
超短パルス高強度レーザーとプラズマの相互作用に関して,レーザー偏光依存性に伴う磁場発生の相違に着目した研究を行い,以下の成果を得た。 1)偏光制御のための液晶製波長板の開発 液晶の配向制御を光書き込み可能とするために,液晶セル配向膜にドープしたアゾ系色素の光異性化反応を利用した。配向分布の書き込みには直線偏光の紫外線(Nd:YAGレーザーの3倍高調波あるいは水銀ランプ)を用い,それらの偏光方向を空間的に変えることによって,任意の偏光分布パターンが得られることを実証した。 2)レーザープラズマ相互作用実験装置及び磁場計測用プローブレーザーの構築 相互作用レーザーは,チャープパルス増幅/圧縮のTiサファイアレーザー(波長800nm,パルス幅120fs,出力約1TW,集光強度4×10^<16>W/cm^2)である。プローブレーザー光はその第2高調波光とし,超短パルスの波長変換のために,薄型KDP結晶を研磨してタイプIの変換方式を採用した。その結果,相互作用レーザーの散乱光及びプラズマ発光に対して充分なS/Nのプローブレーザーを発生できた。相互作用レーザーとプローブ時間タイミングは,両超短パルスの1次の相関をとることで同期調整し,その精度は100fs程度であった。 3)相互作用実験 本研究期間内では,充分なプラズマが生成されなかったために,磁場生成の偏光依存性を観測するまでは至らなかったが,以下の注目すべき観測結果が得られた。a)前方加速イオンの偏光依存性:直線偏光に比べて,円偏光での高速イオン(〜1MeV)の発生効率は数桁高く,これはポンデロモーティブ力が効果的に働くからと考えられる。b)集光パターンの不均一に起因するビームの顕著な自己集束及びブレークアップが観測された。
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