配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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研究概要 |
当センターで開発した室温作動型水素同位体分離用ガスクロマトグラフの一層の改良・改善をはかるために,Pd-Pt合金における同位体効果を検討した. 研究開始当初においては,上記の室温作動型水素同位体分離用ガスクロマトグラフの操作温度の改善に有効と考えられるPd-4at%Pt合金による水素吸収の動力学同位体効果を重点的に評価する計画であったが,この系においてはその動力学的側面のカウンターチェックとして熱力学的同位体効果の評価が必要であることが判明した.この事情を踏まえ,水素同位体の吸収及び脱離等温線を測定することにより,熱力学的同位体効果も合わせて評価した.これにより,水素同位体分離用ガスクロマトグラフの性能向上に不可欠のカラム材の開発に重要なデータと知見を,より広範に得ることができた.以下に本研究によって得られた知見を略記する. ・水素同位体の吸収過程は表面での水素分子の解離吸着,吸着原子の会合脱離及び内部への拡散により記述できる. ・Pd-4at%Pt合金では,室温付近での軽水素の吸着速度は重水素よりも約1.5倍大きい.逆に脱離速度は重水素のほうが軽水素よりも約2倍速い. ・拡散の活性化エネルギーは軽水素及び重水素とも28kJ/molであるが,重水素に対する頻度因子は軽水素よりも約1.5倍程度大きい. ・一方,室温付近における平衡圧は重水素の方が軽水素より5倍ほど大きい.
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