研究分担者 |
磯部 光孝 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00300731)
竹入 康彦 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (60179603)
和田 元 同志社大学, 工学部, 教授 (30201263)
神藤 勝啓 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80322999)
大塚 道夫 日立製作所, 核融合実験炉建設センター, センター長
|
配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1998年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
|
研究概要 |
大強度でしかも数百keV以上の高速ヘリウム中性粒子ビームは,核反応生成アルファ粒子計測用として有望視されている(ITER=FEATのプローブビームでは0.1-1mA/cm^2で,10x10cm^2,エネルギーが0.8MeV/N程度のビームが必要).このビームはヘリウム負イオンビームを中性化して生成される.そこで本研究では,ヘリウム負イオン源の開発と,中性化法の基礎研究を行った.ヘリウム負イオンは100nsec〜500μsecの寿命をもった複数の準安定状態からなり、飛行中に自然に基底状態に中性化される.原理的には中性化ガス法と飛行時間法を併用することにより準安定状態の割合をコントロールすることが可能である.中性化効率としては,20-50%が期待できる.まず,2電子移行の荷電変換によるヘリウム負イオンビーム生成の基礎研究として行ったことは,引き出し電圧が比較的低くかつ高電流密度である正イオン源の開発と中性化セル内の基礎過程の解明である.正イオン源の開発に関しては,大電流が引出され,比較的エミッタンスの小さいバケット型イオン源を開発し,低い電圧で引き出しが行えるように最適化した.この結果ITER=FEATで必要とされているビーム電流密度は達成できることがわかった.しかし,大面積のイオン源を製作する,そのビームのためのアルカリガスセルを設計することなど,高度の技術的問題が残っている.これに対し,アルカリガスセルを必要としない負イオン生成法として準安定状態系列のヘリウム原子ビームを低仕事関数の表面に入射させ負イオンが生成されるかどうかを調べる実験をおこなった.負イオンへの効率の高いエネルギー領域でスパッタリング等で低仕事関数表面の維持が難しく実用化へはなお視点を変えた開発が必要なことがわかった.また,この間の研究過程で開発したイオン源は,産業界のニーズも高く,この方式を参照した負イオン源の実用化がすでに始まった.
|