研究課題/領域番号 |
10480131
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安井 明 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60191110)
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研究分担者 |
久保田 美子 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (30260102)
高尾 雅 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (70216612)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
2000年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1998年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | DNA損傷 / DNA修復 / DNA切断 / 紫外線 / 活性酸素 / 除去修復 / 塩基損傷 / DNA単鎖切断 / PARP / XRCC1 / 塩基除去修復 / 単鎖切断 / 紫外線損傷 |
研究概要 |
我々は、以前に、紫外線損傷の殆どを認識してその直ぐ5'側に3'-OHとなるニックを入れる全く新しい酵素を、アカパンカビ、分裂酵母、枯草菌などから発見し、その酵素をUV Damage Endonuclease(UVDE)と名付けた。この酵素は、ヌクレオチド除去修復でも塩基除去修復でもない第3番目の除去修復を行い、Alternative Excision Repairと呼ばれている。この研究では、まずUVDEの機能解析を行い、この酵素が、種々の紫外線損傷のみならず、活性酸素により生じる塩基の無いサイトも認識してその直ぐ3'側に3'-OHを作るAPエンドヌクレアーゼでもある事を発見した。この遺伝子をヒト細胞に導入して発現させると、ヌクレオチド除去修復の欠損の色素性乾皮症の細胞をほぼ正常細胞なみに紫外線抵抗性にすることから、ヒト細胞でも、UVDEによって導入された3'OHから効果的な単鎖切断の修復が働くことを示している。このヒト細胞は、これまでに生化学的手段や試験管の中で解析されてきた単鎖切断に対するヒト細胞の修復を含めた応答反応を解析するのに最適である。この細胞実験系を用い、さらに、ヒト細胞の核の一部にのみ単鎖切断を導入する方法を導入し、生きたヒト細胞が単鎖切断にどのように反応するかを可視化することに成功した。その結果、単鎖切断の箇所に、PARPが活性化され、それによりXRCC1が来て始まる修復のプロセスと、それとは独立したPCNA依存の径路が同時に働くことが分かった。これらの成果は、通常のゲノム不安定性がどのようにして防がれているかを初めて示したものと評価される。
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