研究課題/領域番号 |
10480170
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
杉野 弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50211305)
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研究分担者 |
小倉 裕範 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (60304557)
中村 隆範 香川医科大学, 医学部, 教授 (70183887)
土田 邦博 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (30281091)
SUGINO Hiromu University of Tokushima, The Institute for Enzyme Research, Professor (50211305)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1998年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | アクチビン / アォリスタチン / ARIP / PDZドメイン / WWドメイン / β-カテニン / FLRG / フォリスタチン / アクチビン受容体 / Smad / 神経シナプス / 神経細胞 / 神経幹細胞 / 分化 |
研究概要 |
アクチビンがもつ細胞増殖、分化、アポトーシスのシグナル伝達の素過程を明らかにすることを目的とし、細胞の内外におけるアクチビンのシグナル伝達系の制御機構を検討した。 (1)細胞内での制御 アクチビンIIA型受容体の細胞内領域と結合する分子ARIPを数種類単離した。その中の一つARIP1は脳に高い発現が認められ、5個のPDZドメインと2個のWWドメインを有していた。ARIP1はPDZドメインを介してアクチビンIIA受容体と特異的に結合するが、他のTGF-βファミリーのII型受容体との相互作用は認められなかった。また、WWドメインを介してSmad2/3と強く結合した。ラット海馬細胞の初代培養系で、アクチビン受容体とSmad2/3が、ARIP1を介して神経シナプスにおいて複合体を形成して存在していることが分かった。この結果は神経ネットワーク形成において、アクチビンのシグナル伝達の制御機構が必要であることを示唆している。さらに、ARIP1はPDZドメインを介してβ-カテニンとも結合し、その過剰発現がβ-カテニンの核移行を阻害することから、アクチビンとWntの両シグナル経路がARIP1上でクロストークしている可能性が示された。 (2)細胞外での制御 先にアクチビン結合蛋白質(フォリスタチン)を発見し、それがアクチビンやBMPの細胞外制御因子として機能していることを明らかにしてきた。本研究では、さらに、新規のフォリスタチン様蛋白質FLRGの同定に成功した。FLRGは2個のフォリスタチンドメインを有し、アクチビンやBMPと結合して、それぞれの作用を阻害した。FLRGのプロモーター領域にはSmadやNF-kappa Bの結合部位が複数個存在することが分かった。これらの結果はアクチビンのシグナルが細胞外でも複雑に制御を受けていることを示唆している。
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