研究課題/領域番号 |
10480181
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
後藤 祐児 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (40153770)
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研究分担者 |
柳田 敏雄 大阪大学, 医学部, 教授 (30089883)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1998年度: 11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
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キーワード | 一分子計測 / 蛍光顕微鏡 / 分子シャペロン / GroEL / βラクトグロブリン / β2ミクログロブリン / β2グリコプロテインI / フォールディング / 蛋白質 |
研究概要 |
蛋白質の立体構造形成(フォールディング)反応は蛋白質の構造形成を担うだけでなく、病気など、生命機能と直結する重要な問題である。近年、蛋白質をはじめとする生体分子の構造や機能を、単一分子レベルでの操作や測定によって解析しようとする研究が盛んになっている。本研究では蛋白質のフォールディング反応を一分子観察し、その構造と機能を明らかにしようとした。このために、全反射蛍光顕微鏡を導入し、蛍光標識蛋白質の単一分子観察を行った。これと並行して、多次元異核種NMRをはじめとする物理化学的手法によって蛋白質のフォールディング反応を解析した。その結果、以下の成果を得た。 1.基質蛋白質と分子シャペロンGroELの相互作用を、全反射蛍光顕微鏡を用いて、単一分子レベルで観察した。これによりGroELと基質蛋白質の相互作用をはじめて直接的に示した。 2.ヒトβ2ミクログロブリンのメタノール資化酵母を用いた大量発現系を構築した。全反射蛍光顕微鏡を用いて、β2ミクログロブリンのアミロイド線維を観察した。 3.システイン残基を化学修飾したβラクトグロブリンの立体構造を、CD、沈降平衡、NMRなどで調べ、構造安定性を残基レベルで明らかにした。 4.βラクトグロブリンのフォールディング反応を、異種核NMRと高速混合法を組み合わせて解析した。その結果、反応開始後、数ミリ秒で形成されるフォールディング中間体においては、天然構造に存在するβシートの一部と共に非天然のαヘリックスが形成されていることを、アミノ酸残基レベルで明らかにした。α→β転移がアミノ酸レベルで明らかになったはじめての例である。
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