研究課題/領域番号 |
10480210
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
近藤 滋 徳島大学, 総合科学部, 教授 (10252503)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 縞模様 / ゼブラフィッシュ / 反応拡散系 / チューリング / 体節 / 周期構造 / 形態形成 / パターン形成 / 魚 / 反応拡散波 / シミュレーション / プレコ / パターンフォーメーション / チューリングパターン / 模様 |
研究概要 |
目的 動物の形態形成が正確に起きるためには、個々の細胞が胚における自らの位置を正確に知り、分化することが必要である。1952年にチューリングは、「胚の中で化学反応の波(反応拡散波)が発生し、それが正確な形態形成のための位置情報となる。」と提唱した。40年以上のあいだ実例は発見されず、反応拡散波の存在に関しては否定的な意見が強かったが、近藤は、タテジマキンチャクダイの皮膚模様の変化が反応拡散波の理論と一致することを発見し、チューリング理論の実証の可能性を開いた。本研究では「反応拡散波」の分子的実体を迫ることを目的とした。 結果 まず、この現象がどの程度の普遍性を持っているかを知るため、タテジマキンチャクダイで観察されたのと同様の模様変化が魚類や他の脊椎動物でも観察できるかを調べた。その結果、模様変化を起こすほとんど全ての脊椎動物で計算機シミュレーションと一致する変化が観察され、全ての皮膚模様は同一のメカニズムで作られている事が強く示唆された。次に、反応拡散波のメカニズムに遺伝的にアプローチする目的で、異なった体表模様をもつゼブラフィッシュのミュータント同士を掛け合わせ、様々なハイブリッドの模様を得た。特にひとつの遺伝子(leopard)に関して、アレル間の模様の違いやハイブリッドの模様が、計算機を使った予測と一致することがわかり、この遺伝子が反応拡散波形成のキーになっていることが強く示唆された。現在クローニングを検討中である。 また、最近ではあるが、いくつかの薬剤により表皮模様のサイズをコントロールできることを発見した。それらの薬剤で起きる皮膚の変化を解析することにより、反応拡散波の分子機構に直接迫ることが可能かも知れない。
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