研究課題/領域番号 |
10480224
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
神野 耕太郎 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (40025630)
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研究分担者 |
佐藤 勝重 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (80291342)
佐藤 容子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70251501)
酒井 哲郎 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (40153845)
鈴江 俊彦 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40143565)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
1999年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1998年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | 光学的計測 / 循環中枢 / 呼吸中枢 / 脳機能マッピング / 自律分散システム / 延髄 / ニューロン活動 / 光学的多点計測 / 機能構成 |
研究概要 |
心血管系や呼吸の神経性調節に関与する中枢機構のコアシステムやおおまかな神経回路は、解剖学的および生理学的研究によって近似的なプロフィルが得られているが、神経回路の詳細やダイナミックな作動様式については、多くの研究がなされているにもかかわらず、まだ統一的な描像は得られるまでに至っていない。循環/呼吸中枢機能の解析には、従来の解剖学的/組織形態学的な位置の同定や、単一細胞からの電気生理学的記録に頼る実験手技だけでは不可能であり、必然的に新しい実験手技、方法論を導入したダイナミックなアプローチが必要である。このような、問題意識のもとに、ニューロン電位活動の光学的多チャネル計測/画像処理、ならびにコンピュータ・グラフィックスを導入して、循環/呼吸中枢の機能構成を「自律分散システム」という新しい視点から解明することが本研究の目的である。 (1)迷走神経関連核のイメージング:実験対象としてはadultのWistar ratを用いた。ウレタン麻酔下に、頚部で左右迷走神経本幹を露出し、末梢側を切断して刺激用電極を中枢側に装着した。人工呼吸下に脳幹背側部分の頭蓋骨、小脳を除去して脳幹を露出し、測定用チェンバーを歯科用セメントで固定して、その中をシリコンオイルで充たした。光学計測には、リアルタイム光量差差分増幅装置(IMAGER 2001,Optical Imaging Inc.,Israel)を用いた。直流安定化電源により駆動した250Wのタングステン・ハロゲンランプの光を、干渉フィルター(605±5nm)を通して準単色光にした後、光ファイバーを用いて脳幹部に照射し、slow scan CCD cameraを用いて、5秒間に8枚の画像を取得した。刺激に伴う内因性光学シグナルを反射光の変化として測定し、その変化分を測定開始時の反射光に対する比(△R/R)として表示してイメージングを行った。迷走神経を電気刺激(20Hz/1sec)すると、605nmの準単色光照射による測定では、刺激により内因性光学シグナルの大きさは増加(反射光の減少)し、刺激開始後約1.5秒でそのピークに達した。解剖学的位置との比較から、記録された応答は主に孤束核に対応すると考えられた。複数のratで同様の実験を行うと、応答領域は血管の走行とは無関係で、obexに対してほぼ同一の位置に出現することがわかった。しかしながら、応答領域の大きさは一様ではなく、個体差があることが明らかとなった(animal-to-animal variations)。 (2)刺激条件と応答の関係:次に、血圧をモニターしながら刺激の強度/周波数を変えて内因性光学シグナルの画像化を行い、その変動を調べた。刺激の周波数を一定(20Hz)にした条件下で、刺激強度を変えた時に得られたイメージ画像と血圧の変化を比較し、(1)刺激強度を上げるにしたがって、応答領域は刺激側の孤束核から交連部、さらには反対側の孤束核に広がっていくこと、(2)それに伴って迷走神経刺激による血圧の低下が大きくなっていくこと、(3)同じ血圧の低下が起こる刺激条件でも、応答領域は同じではなくtrialごとに差が見られること(trial-to-trial variations)、が明らかとなった。一方、刺激強度を一定にした条件下で、刺激の周波数を変えて実験を行うと、刺激の周波数を上げるにしたがって応答領域が交連部から吻側方向に徐々に拡がっていくことが明らかとなった。これは、孤束核に投射する求心性線維のタイプの違いを反映していると考えられる。
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