研究課題/領域番号 |
10480230
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
狩野 方伸 金沢大学, 医学部, 教授 (40185963)
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研究分担者 |
田端 俊英 金沢大学, 医学部, 助手 (80303270)
橋本 浩一 金沢大学, 医学部, 助手 (00303272)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
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キーワード | 生後発達 / 小脳 / プルキンエ細胞 / 登上線維 / 多重支配 / シナプス除去 / 神経活動 / NMDA受容体 |
研究概要 |
平成10年度の研究により、発達期小脳における過剰な登上線維シナプス除去には小脳内のNMDA受容体を介する神経活動が必要であることを明らかにした。本年度はどの時期にどのシナプスでNMDA受容体が働くことが必要であるかを検討した。NMDA受容体の拮抗剤のMK-801を発達期マウスに1日1回(0.25μg/g)腹腔に投与してNMDA受容体をブロックした。MK-801の投与時期と投与期間をいろいろに変えてマウスを成長させ、生後24日から36日の間に、登上線維の支配様式を電気生理学的に解析した。小脳スライスを作製し、プルキンエ細胞からwhole-cell patch-clamp記録を行い、登上線維を電気刺激して興奮性シナプス後電流(EPSC)を誘発した。EPSCのステップの数から、プルキンエ細胞を支配する登上線維の本数を推定した。その結果、生後15日と16日の2日間、MK-801を投与するだけで登上線維多重支配の残存が起こることが明らかになった。また、この時期にはプルキンエ細胞のEPSCにはNMDA受容体成分は存在せず、苔状線維と顆粒細胞の間のEPSCには大きなNMDA受容体成分が認められた。これらの結果から、生後15日と16日の2日間に苔状線維―顆粒細胞間シナプスのNMDA受容体を介する神経活動が顆粒細胞の軸索である平衡線維を通じてプルキンエ細胞に伝えられ、平行線維とプルキンエ細胞間のシナプスにおいて代謝型グルタミン酸受容体1型(mGluR1)からγ型プロテインキナーゼC(PKCγ)にいたるカスケードを活性化することが登上線維シナプス除去に必要であることが示唆された。また、上記のカスケードのほかに、hterleukin-6やInsulin-like growth factorなどが関与するという予備的な結果を得たが、これらはmGluR1カスケードとは別の機構を介するものと考えられた。
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