配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
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研究概要 |
我々は、アフリカツメガエル卵母細胞を発現系とする実験で、代謝型グルタミン酸受容体(mGluR1)がグルタミン酸のみならず細胞外Ca^<2+>濃度の上昇によっても活性化されることを見い出し、またその感受性を決定している一次構造の基盤を同定した。しかし、Ca^<2+>は、神経伝達物質と異なり恒常的に細胞外液に存在するので、代謝型グルタミン酸受容体の持つ細胞外カルシウム感知機能の生理的意義は必ずしも明確ではない。そのひとつの可能性として、グルタミン酸に対する応答を,細胞外Ca^<2+>が増強する役割を果たすということが想定される。 今年度、この可能性を検証するために,細胞外Ca^<2+>がグルタミン酸応答に与える効果について,安定的にmGluR1wtや、Ca^<2+>感受性の低い点変異体S166Dを発現するCHO細胞を用い、mGluR1の活性化の結果起こる[Ca^<2+>]の上昇を光学的に測定することにより詳細に解析した。その結果、(1)mGluR1のグルタミン酸応答に持続時間は細胞外Ca^<2+>存在下で,著明に延長することが観察された。この延長が,細胞外Ca^<2+>濃度に依存したこと,また,細胞外Ca^<2+>に対する感受性の低い点変異体では,明確に観察されないことから,グルタミン酸応答の持続時間の延長は,mGluR1の持つ細胞外Ca^<2+>感知機能により,起こっていることが明らかになった。さらに,(2)mGluR1のグルタミン酸応答持続の成分は、store-operatedCa^<2+>チャネルのブロッカーにより減弱したことから,細胞外からのCa^<2+>流入によるものであることが明らかになった。すなわち,グルタミン酸刺激に細胞外Ca^<2+>による刺激が加わると,受容体の応答が脱感作に至ることなく持続し,Gq系のdiacyl glyceroを持続的に産生するためにstore-operated Ca^<2+>チャネルが持続的に開くということが示唆された。
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