研究分担者 |
六車 香里 実験動物中央研究所, 遺伝, 研究員 (50290979)
西川 哲 浜松医科大学, 医学部, 教務員 (50260584)
辻 厚至 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60303559)
伊藤 豊志雄 実験動物中央研究所, 動物医学, 室長 (20106644)
江袋 美知 実験動物中央研究所, 遺伝, 研究員 (40167292)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
2000年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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研究概要 |
研究代表者は,生後14日齢頃に死亡する自然突然変異マウスを発見した。本研究では,その病因を追究し,ヒト疾患モデル動物として確立することを目的に種々の研究を行い,以下の成果を得た。 1.血液学的研究:異常マウスでは血小板が1.8倍,白血球数が1.6倍に増加した。後者の結果から異常マウスにおける白血病の可能性が疑われた。 2.血液生化学的研究:トリグリセリドおよび遊離脂肪酸が共に約7.0倍,遊離コレステロールが2.5倍に増加した。この結果から,本異常マウスは高脂血症(高グリセリド血症)であることが判明した。 3.遺伝学的研究:戻し交配により本遺伝子(仮称int遺伝子)の遺伝分析ならびに異常遺伝子のマッピングを行った。その結果,本異常遺伝子は常染色体性劣性であり,第17染色体の56cM付近にあることがわかった。同染色体上にあって病態が類似する既知の遺伝子flaky skin(fsn)との同座性を確認するためにfsnマウスとの間で交配実験を行った。その結果,本遺伝子とfsn遺伝子との同座性が確認され,国際命名規約に従ってint遺伝子をfsn^<Jic>と命名した。 4.病理組織学的研究:肝臓では脂肪変成の結果と考えられる広範な空胞化が観察された。また,有核細胞が多数認められ,細胞浸潤あるいは髄外造血の可能性を強く示唆した。腎臓および脾臓でも髄外造血像が認められた。 以上の結果から,本自然突然変異に関係する遺伝子は,典型的な多面発現遺伝子であり,多種類の臓器に異常をもたらすことが分かった。しかし,この理由によって発症の原因を特定することができなかった。
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