配分額 *注記 |
10,500千円 (直接経費: 10,500千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1998年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
本研究では,穿刺型超音波マイクロプローブと,これを用いて生体深部組織の超音波断層像を取得するシステムを開発するとともに,生体組織の超音波減衰を測定することによる組織性状診断の可能性について検討し,以下の成果を得た. ・穿刺型超音波マイクロプローブと画像取得システムの開発:16-20ゲージの留置針の先端に,0.8-1.0mm×1.2mm,中心周波数20MHz程度の超音波振動子を搭載したマイクロプローブを開発し,さらにこのプローブを機械的にスキャンして約6秒で2次元の超音波画像を取得できる画像取得システムを開発した.また,これを用いてウサギ肝臓の断層像を取得するin vivo実験を行い,本手法の有用性を確認した. ・相関法による組織血流計測法に関する検討:生体深部の微小組織血流の検出を目的として,本研究室で従来から検討を行ってきた相関法の本手法への適用について検討し,微小血管ファントムおよびブタ腎臓を用いたin vitro実験を通じて,0.35mm程度の微小な流れを検出できることを確認した.また,ウサギを用いたin vivo実験でも,血流検出可能性を検討した. ・複合共振型振動子を用いた減衰計測と生体組織の減衰機序の検討:生体組織の減衰特性から組織性状の変化を診断することを目的として,複合共振型振動子を用いて,5-40MHzの広い帯域で生体組織の減衰を計測するシステムを開発し,種々の生体組織の減衰を測定した.また,生体組織の性状と減衰特性の関連を明らかにすることを目的として,生体組織の減衰機序に関する検討を行ない,生体組織の減衰特性が,蛋白質や水などの生体構成物質自体の減衰と,筋繊維などのマクロな構造による減衰によって決定され,組織の基本構造である細胞構造の影響は比較的小さいことを示した.
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